復活祭のためのレクイエム

季節のざわめきは
ふきのとうの頭から軽く跳ねて
たんぽぽの綿帽子よりも、緩やかに
歌声に、散った






飛んで行く
、飛んで行け
遠く日本海側からの寒風に彩りを添えて
根雪と貧しさの入り混じった
田舎景色に、春を
春を


やがて吹く、三寒四温
細い国道に沿った、細い町のどこからでも一望できる
暗い波間を群青に変え、そこに跳ねては遊ぶ
白い兎の姿


。陸奥湾

ホタテ養殖に精を出す
、漁師の視界の先、連艦隊が、黒い煙を挙げて
今年も
、そんな季節なんだと、
艦隊が連れて来る
この冬、最後の雪が舞い落ちる。




、ちりちりと、
ちりちりと。

波に焦げつく花びらの囁きが
ぽう っと、








灯る。春が来る。春が来る。しんしんと降り急いで。


春よ来い、春よ来い。まばらなふきのとうを覆い尽くす歌声




数日中に溶ける朝には、その隙間から

ふきのとうの突出させた、その、つぶらな口先から

ささやかに 、ささやかに





春を 、  春を







  。



自由詩 復活祭のためのレクイエム Copyright  2004-04-24 00:47:41
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