無人駅
1486 106

蛍光灯の灯りが揺れる
人影の途絶えたプラットホーム
いくつも電車を見送って
途方に暮れる無人駅

蛾の浮かび上げる影を目で追い
懐かしき君のの面影を追い
幻は掌をすり抜けてゆく
浅き夢の中の無人駅

自動販売機の缶コーヒーは
凍った体を溶かしてくれるけど
心の穴から吹き付ける隙間風
それは未だに癒えぬ傷跡

寂れたベンチに腰掛けて
吐く息は冬空に消えた
月明かりが優しく照らす
誰もいない無人駅


自由詩 無人駅 Copyright 1486 106 2007-03-21 11:56:16
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