輪廻の虹
千月 話子

澄んだ青空を飛び交う鳥達が
どこまでも続く永遠に 涙すると

風に乗る桜の花びらがゆっくりと
地面に落ちてピンク色を 敷き詰める

夏 緑は生い茂り濃い空気の層が
霧となって 大地に降り注ぐと

オレンジなどの 柑橘が
木のゆりかごで ふっくら揺れる

空を落ちる太陽が 色を変えて
赤く染まれ と海に言葉を投げかけると

浅瀬に留まる あめふらしが驚いて
紫の水を 撒き散らす

「汚れてしまいました」と海が
悲しげに夜を 水に沈めると
流れと共に 色彩を宿した雲が
真上に浮かび 汚れた海を巻き上げる

浄化された最上の雨が一斉に降りしきった翌朝
水面が キラキラとうれしそうだったので

雲の隙間に 天使の道筋
黄金色に輝いて
七色の水の粒子を屈折させて 空に架かる

眺める私の瞳は潤い
虹の橋を渡っていった あの人が
「幸せでありますように。」と
祈り・・・・・ 想う・・・・・









自由詩 輪廻の虹 Copyright 千月 話子 2004-04-23 17:30:11
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