稲妻が 夜の闇を切り裂くように見えるのは
上空に溜まった 汚染物質を
宇宙の穴に 吐き出しているからなのだ
と 夢の中で創造主らしき者の声が
頭の中を 低く駆け巡った

それから私は 雷の ....
   蚊のはなし

鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)

家に帰り着く頃には ....
ラ・ヴィ・アン・ローズ  人生はバラ色

パリの空の下 古いレコード店から
軋むように 歌が流れる

日本からここに辿り着いた初老の男は

晴れた日には セーヌの流れを聞きながら
カフ ....
初恋は 待ち合わせした 陸橋で。

緑の風が 少女と髪を梳く
甘い香りを連れて来たのだと
あなたが  言った。


いつもあった思い出の情景が鼻をくすぐる

青と緑の溶け合った 海の ....
うどんが大好きな
赤い色のキツネと緑色のタヌキが
おいしそうに
とんこつラーメンを食べている夢を見た

なので
翌日の昼飯は
バジル入りトマトソースのパスタである。

何ゆえに?
 ....
朝の光り射す 窓辺にて
ベッドの中で ゆるゆると
まどろみに浸っている その人は
不意に掛けられた 声に
目を覚まそうとしている・・・

「いい天気だし、もう起きなよ」

とろり とし ....
たかが コーヒーカップの裏に
印字された製造番号で
人の ちょっとした気持ちが
分かる方法 教えます。

「4874」これ 何て読む?

高濃度コラーゲン・マスクを顔にのせて
変身中の ....
金曜の夜はほんのりピンク色
明日は休みだし 明後日も休みなもんで
爺ちゃんも婆ちゃんも 父さんも母さんも
彼氏も彼女も ちびっ子もワンニャんも
隣を見れば「楽しい、愛しい、可愛い、大好き」
 ....
未明の白百合は 硬く花びらを閉じた蕾
群生した土の上で 静寂と夜を眠る

薄明かりの空を 見上げれば
霧雨が 月をかすかに汚し
花の下へと 降り積もる

水を含んだ 白百合は
耐え難い ....
夜9時帰宅の 私が
湯気の上がる 白いご飯に
玉子のふりかけを かけながら
「黄色い粒は塩辛いんだよねぇ」と
おかず無しの 夕食を
不本意に思っている時

母が 居間で
「渡る○○は  ....
大切にしていた 洋服を
服喰い虫に食べられた

もったいないので自分で
リフォームしてみたけれど
見るも無残な有様で
着れたもんじゃない

長い間書き溜めた 日記を
紙喰い虫に食べら ....
空を眺める私の楽しみときたら
未確認飛行物体などを探すこと

それなのに
目の端にチラッ映る鳥の影とか
キラッと光る飛行機の反射光に
ドキッと 怯えてしまう

好奇心旺盛なくせに臆病な ....
(ネ)=馬。に乗った
(申)=猿。が
空に向かって手を差し伸べる

何に祈りを捧げているのか

血の流れが中心に集まる
身体に熱く充満する

その感覚が招くのか

空の何処かに  ....
キミが嘘をついた

キミが嘘をついた

キミがまた嘘をついた

ボクはキミが嫌いだ

ボクはもうキミを嫌いになったから
何度もキミを捨て去ろうとした

なのに どうしてキミは
 ....
別に無精していた訳ではないんです

たまに 時々
ボーっとしてたり 眠かったりして
忘れてしまうんです

なので
一週間もしたら ザラザラ
おやつの食べ過ぎで ブツブツ

あまりに ....
澄んだ青空を飛び交う鳥達が
どこまでも続く永遠に 涙すると

風に乗る桜の花びらがゆっくりと
地面に落ちてピンク色を 敷き詰める

夏 緑は生い茂り濃い空気の層が
霧となって 大地に降り ....
海を飛ぶ 魚は 空の鳥なれず 想いを波の しぶきに隠す 天井の 梁に残った紙吹雪
窓を放たれ 宙を舞う

落ちて行く音 はらはらと
役に立てない もどかしさ


拾い集めて もう一度
喜び祝う 人々の
頭上に落ちて 花吹雪
至福味わう  ....
お花を買った帰り道
フワリフワリ良い匂いがして
とても機嫌がよろしいの
そんな私を 幾人も
羨ましげに振り返るので
いい女を気取りながら
颯爽と歩いていたらば
花を飛び交うミツバチと
 ....
夜の帳がすっかり落ちて
テレビに何も映らないのに
今夜も私は 不眠症
仕方が無いので羊を数えて
眠りに就くのを待っている

朝の日差しがカーテン越しに
透けてぼんやり霞む頃
1万飛んで ....
上空を旋回する鳥
海の上を跳ねる魚
空中でひらひら浮かぶ蝶
強い風に集って走る種子
飛行機雲と共に舞い上がる人々

地上に立つ私の足元に影
太陽が低く落ちたら
延々伸びて 陸を飛ぶ
 ....
月の光り射す 真空の夜に
ひっそりと咲く 月下美人といふ花の
計り知れない悲しみは
茨となりて 一日たりとも
咲いてはいられぬ

私の この大輪の
白いドレスの花びらを
どうして見ては ....
写真を撮ろうよ 二人のね。
緩やかな波打ち際で待ってるよ。

君はカメラを誰かに託して
僕の方に駆けてきた。

嬉しそうに笑う君が何となく
幼く見えて可愛らしかったものだから
僕は思わ ....
青白いあなたの頬に
薄紅色が戻るまで
私の赤い血を流しましょう

光に反射して
ガラスのように透けて見える
瞳が再び開かれるまで
私の成熟した赤い血を
あなたに差し上げましょう

 ....
藤棚に 乱れなく降る薄紫の
花を透かして鳴る音が
シャランシャランと聞こえるようです
風など吹いてもいないのに
感じる心は 無風幻想

鈴蘭の 花びら内に鈴つけて
鳴らせて見たい情景に
 ....
タンスの裏 逃げ込んだ子猫
大きな瞳が潤んで見えたら
「怒ってないよ」と言うかわり
微笑みながら探すんだ
笑顔は言葉を超えるからね

お化け屋敷 大きな手離しちゃったよ
暗闇が段々滲んで ....
昔学校の中庭に 石造りの小さな池があった
水藻で濁った水面に 時々魚の赤い背が
ゆらゆらと 波紋を立てる様子が見えた
池の周りの数本の ひょろりと伸びた細い木に
小さな実が 生りだして
その ....
千月 話子(147)
タイトル カテゴリ Point 日付
潔癖症と雨夜の光り自由詩5*04/6/8 23:18
虫のはなし自由詩6*04/6/2 17:33
幸福な名前自由詩3*04/5/27 17:17
薫る少女の自由詩3*04/5/25 0:02
さぶ〜意味なる効果自由詩6*04/5/20 0:22
「かったるい」目覚め自由詩1*04/5/18 0:48
「よん・はち・なな・よん」自由詩4*04/5/13 0:15
いつか会おうね。自由詩1*04/5/11 0:29
エロティックな身体自由詩1*04/5/8 16:59
同時刻にて自由詩1*04/5/7 0:24
虫くい自由詩2*04/5/3 1:04
臆病なんですけど自由詩1*04/5/1 0:37
神が降る自由詩1*04/4/28 17:49
壊れた時計自由詩2*04/4/27 0:44
新生と感触自由詩1*04/4/24 23:59
輪廻の虹自由詩4*04/4/23 17:30
トビウオ短歌2*04/4/22 1:06
頭上の振る舞い自由詩2*04/4/20 23:16
いい女になりたい自由詩3*04/4/17 0:51
不眠症の羊飼い自由詩4*04/4/15 0:21
浮遊すること自由詩3*04/4/13 1:11
片恋の花自由詩5*04/4/13 0:38
三分間の恋人自由詩2*04/4/11 0:11
永遠のあなたへ・・・自由詩2*04/4/10 17:46
 見えぬ風に自由詩4*04/4/10 0:27
探し物自由詩1*04/4/9 17:27
柘榴の実自由詩2*04/4/9 17:13

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