「 迷子の靴 」 
服部 剛

コンビニのレジの後ろに 
「 迷子です 」 
と貼り紙のついた 
こどもの靴が置かれてた 

つまさきをそろえた 
寂しげな迷子の靴 
なぜかぼくの足にぴったりに思え 
後ろ髪を引かれながら 
コンビニを出た 

いつのまにか 
大人になったぼくの靴 
今もしっくりこないまま 
湿ったかかとを踏んでいる 

背後から 
無邪気な足音が近づくと 
こどもの頃のぼくに似た 
裸足のまんまの少年は 
猫背のまんまのぼくを  
追い越していった 



  


自由詩 「 迷子の靴 」  Copyright 服部 剛 2007-03-18 17:11:50
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