ERASER −紙切れに−
大村 浩一

陸に上がったSUBWAYで
奴が通りかかるのを待つ
ことばの坩堝でそいつは産まれた
ひいひい泣いて誘う雄の男食らい
餌場はもう分かったので
俺としては待ち伏せのあいだ
詩でも書いて暇を潰そうかという算段
花園神社界隈
集まる綺麗すぎる女は男に違いない
でなければ訳アリに違いない
布を被せたニセ逸物を
ちろちろ見せる見世物
陸に上がったSUBWAYが
ひたひた泥水に浸かりはじめる
なぜ崩れるような場所にばかり
人は住むのだろう
ことばのなかで奴の皮膚ひん剥き
引き裂いて殺す
火の手が廻る前に移動だ


 初稿 2006/6/23
 初出 2007/2/17 白井明大『黄いろの日』
 改題・改稿 2007/2/19


自由詩 ERASER −紙切れに− Copyright 大村 浩一 2007-03-16 18:06:23
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