蒼木りん

音もたてずに
せっせせっせと降る雪は
障子にカサカサとあたっては散る

世界が埋もれてしまうほど
積もった雪は
薄桃色の明かりを放って
夜半には
ぴたりとやんだ

あんまり積もったので
笑ってしまう
あしたが大変

雪をかいて
道を作らなければならない
電車も止まる
遅刻が許される

嘘みたいに晴れて
目が痛い
小屋の屋根が
こんもりマシュマロ

粉雪片栗粉
ぐぐっぐぐぐっと
踏みつけて
いくらでも雪を壊しに行く

空のうんち
どっさり
陽に融けて
土に含まれて
純水になる


未詩・独白Copyright 蒼木りん 2007-03-15 23:56:24
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