すぷりんぐすてっぷ・じゃんぷ
モーヌ。


また 春が きた って だれかが いう

とめどなく 梅は ほころび

いぬふぐりは 淡く むらさきの 列を 走る

つぶらかな 音で ころ ころ と

ひとなりの いとが 立てる 含みで

互換する ぼくの 円形劇場を ひろがる

そんな ひかりの 日和に

冬が まいっちゃったなあ... って とおくで わらって

いつでもを いつまでも 想起 させて

一期一会 で 季節が めぐろうと

ほんとうは 二度と 会うことは ない





いつも ながらに 歩いて いる

終わりも 始まりも はても ない

どんな 風が すえに 吹く 野 なのだろう

そんな 歩きいでた 野 を...

なぜなんだか 雲の野路へ 海へ と つづいて

水の うすく つくった マイナーキーの

うす むらさきの 砂浜で

一羽の こどもの 鳥が

ぼくを 待って いました

かれは ふりむきも せず

すらっ と 飛び あがった

ぼくは 正面から かれの 顔を みつめられた... と

そんなふうに これからを 信じる





けら けら けら

きみは ひばりの ような もの かしら

( それとも... )

いまの 春を 告げて

冗談 みたいに わらい ころげ

霞の かおる 空を ぽろぽろ 落っことして

あおい きみの しっぽ から

ちいさな ハート と ぼくの ソウルを 結う

白銀の はかなき 糸が 伸び

はじめは 太く あるいは 細く やがて 見えなく

聞こえなく なることで より かたく

べつべつの 時空を 異邦して ゆく

ぼくら ふたつで たくさんの ひとつの からだが





そうして それらが

しばし 時を 同じく する いま

また 春が くる

( やあ... )

見えないはずの きみとの 糸が

から から と また つながって

いちばんの 風が 吹き

また ぼくは 出かける

くすりの 壜は ふたが 開いた まま

ベッドは あたたかな かたちの まま

読みさしの 本は ほうりだされた まま

どんな 風が すえに 吹く 野 なのだろう

そんな 歩きいでた 野の なかを...









自由詩 すぷりんぐすてっぷ・じゃんぷ Copyright モーヌ。 2007-03-14 19:00:12
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