マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている
うおくきん

マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている。
君によく懐いていたあの子を笑いながら首絞めて殺っちゃうなんて。
僕には、君の殺意が理解できないよ。
なんの感情もナシに、なんの理由もナシに、人を殺れちゃうなんて。
君は、ただただ人が殺ってみたかっただけのサイコパスだったんだね。殺れれば誰でもよかったんだね。

僕の殺意は愛情と憎悪からだよ。わかりやすいよね。セカイ各地によくいるよね、僕みたいな屈折少年屈折少女がさ。
うん、僕の殺意はほんとごくごく普通の殺意なんだ。誰でもいいってわけじゃないんだよ。
君と僕の違いはソコだよ。最初、君と僕は似ているのかなーって思ったのだけれども、まったくもって違ったんだね。
僕には、君の殺意が理解できないよ、悲しいけれど。

じゃあ、君の殺意を僕に向けて殺っちゃってくれていいよ。そうすれば、僕の殺意があの人たちに向かうことがなくなるから。
もう耐えられないんだ、泣きながら包丁を握り締めて、お父さんとお母さんを殺っちゃう妄想に浸るのには。
もう耐えられないんだ、自分の殺意に。
だから、お願い、君の殺意で僕のことを殺っちゃってほしいんだ。
ごめんね、こんな大事なことまで人任せで、ごめんね。
もう耐えられないんだ、自分の殺意に。

マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている。
君によく懐いていたあの子を笑いながら首絞めて殺っちゃうなんて。
とってもとっても異常なサイコパスだよね。
だけれども、僕は、ソコに憧れる。
だって、屈折少年なだけの僕には、まったくもってそんなことができるはずもないから。


未詩・独白 マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている Copyright うおくきん 2007-03-13 04:26:36
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