レール・アローン
倉持 雛

8本目の電車
 
見送る僕
 
閉ざされた踏み切りに
興味等ない
 
進むことこそ
僕の義務
 
20本目の電車が通る
 
ただ立ちすくんで
動けない僕
 
止まったまま
停まったまま
 
32本目の電車
 
僕は線路に立っていた
 
その時見た
窓越しに移る君に似た影
 
近づく電車
 
僕の足は動いた
 
 
 
 
 
 
帰り道
 
用意されない筈だった朝ご飯を
どうしようかなんて考えながら
歩く僕
 
気付いたら泣いていた
 
それでも
家に帰る足取りは軽かった
 


自由詩 レール・アローン Copyright 倉持 雛 2007-03-11 14:46:45
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