極彩
大覚アキラ

強い風が叩きつけるように吹く中で
極彩色の旗が暴れている
数え切れない数の旗は
数え切れないほどたくさんの色で溢れていて
極彩色の荒れ狂う海になって
目の前の景色を飲み込んでゆく

きみは
たった一人でその真っ只中に立っていて
凛としたその姿は
まるで古代の戦士のようだ

それなのに
その冷たく冷え切った頬には
一筋の涙が流れていて
強い風に吹き飛ばされて
水晶玉のように光りながら飛んでゆく

風よもっともっと強く吹け
そして
極彩色の奔流となって
見渡す限りの
この世界のすべてを飲み込んでしまえ

そうだ
この地上に
神とか
そういう者が存在するとしたら
きっと
今のきみのような姿をしているに違いない


自由詩 極彩 Copyright 大覚アキラ 2007-03-08 15:34:23
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