やさしい人になる
野火 後里

君がひっそりとやさしい人になる

誰も気づかないうちに

日が射して去っていくように

教室の片隅で

冷えた空気を少し弛ませて



小さな出来事だった

草の芽が最初に与えられるお水のように

目が潤んでいて


あぁ、息づいたのだ


君の中の

柔らかな種が




自由詩 やさしい人になる Copyright 野火 後里 2007-03-03 22:05:28
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