鳥葬
はらだまさる



鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ


視界一面
からっぽの鳥篭と
天の会陰に突き刺さる、祈り


興奮した泥が
足に噛み付いて
血が滲む、


顔をあげると
遊星をくわえた朱雀が
遥か消えゆく









自由詩 鳥葬 Copyright はらだまさる 2007-03-03 21:20:31
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