川底の靴
ぽえむ君

私はあなたの足から離れてしまいました
橋から見下ろす川の水が
私を誘っているようでした
一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
あなたのことを忘れてしまって
そのまま川に吸い込まれてしまいました
水の冷たさを感じた時
取り返しのつかないことになったのだと
あなたの足が遠のいて
深く深く水の中に潜っていきました
あなたの姿が見えなくなる時に
私の涙で川の水が少しだけ増えたことに
あなたは気づいてくれたでしょうか
今は暗い川底で
悲しい水に流されながら歩いています
川の空が明るくなる時
それはあなたの足の温もりと思っています
こうしている今でも
私はあなたの足から離れずにいます
今日は見上げる川に
きらきらと光が輝いています


自由詩 川底の靴 Copyright ぽえむ君 2007-03-01 12:03:37
notebook Home 戻る