春の夢
ぽえむ君

時が流れば折り返し
春を教える梅が咲く
匂いを風が染めあげて
空には花の色がつく
春を描けるこの春は
今は今しか紡げるものを

わずかばかりの若草に
蝶がひらひら飛びまわる
草から草へ渡りゆく
花はなけれど花となる
夢を語れるこの春は
自分の明日に開けるものを

水の流れはゆるやかに
春を伝える川がゆく
音が光を盛り上げて
石には水の色がつく
夢を展ばせるこの春は
自由自在に操るものを

少しばかりの浮き草に
うおがゆらゆら泳ぎゆく
水から水へ移りゆく
花はなけれど花となる
夢をつくれるこの春は
果てることなく終わらぬものを


自由詩 春の夢 Copyright ぽえむ君 2007-02-26 22:45:57
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