オレンジの黙示
青の詩人
僕が引っ張った細長い糸で
この世界は朝になる 夜になる
淡いオレンジの夕焼けにもなる
パチン
パチン
パチン
ここは確かに僕の部屋だ
だけど全てが違うセカイ
これは間違いなくいつもの曲だ
けれど確実に新しいサウンド
階段を降りて
出会った父の姿も
猫が荒らした手洗い場のゴミ箱も
どれもが必然にそこにアル
胸に響く弦の音色も
耳で鳴り続けるカエルの声も
全てが用意されていたのか
カーテンの中のセカイで僕は
「ボク」に出会ってしまったようだ
今まで地下の深い場所で息を潜め
眠り続けてきた「ボク」に
眠ったふりをしてきた「ボク」に
セカイが終わるのを知っていながら
僕は再び糸を引いてしまった
パチン
パチン
朝
いつもの僕 が訪れることも
はじめからわかっていたんだ
だけど僕はリピートボタンを押した
押さずにいられなかったんだ
書かずにいられなかったんだ
僕と「ボク」をかろうじてつなぎとめて
新しいセカイを忘れないために
そして「ボク」は僕へと戻った
また出会えるだろうか 行けるだろうか
オレンジの鐘が鳴り響く この場所に
1:05の奇妙な「ボク」に
パチン
パチン
パチン
2005/6/4