オレンジの黙示
青の詩人



僕が引っ張った細長い糸で
この世界は朝になる 夜になる
淡いオレンジの夕焼けにもなる


パチン
パチン
パチン


ここは確かに僕の部屋だ
だけど全てが違うセカイ
これは間違いなくいつもの曲だ
けれど確実に新しいサウンド

階段を降りて
出会った父の姿も
猫が荒らした手洗い場のゴミ箱も
どれもが必然にそこにアル
胸に響く弦の音色も
耳で鳴り続けるカエルの声も



全てが用意されていたのか



カーテンの中のセカイで僕は
「ボク」に出会ってしまったようだ
今まで地下の深い場所で息を潜め
眠り続けてきた「ボク」に
眠ったふりをしてきた「ボク」に

セカイが終わるのを知っていながら
僕は再び糸を引いてしまった


パチン
パチン



朝 

いつもの僕 が訪れることも
はじめからわかっていたんだ
だけど僕はリピートボタンを押した
押さずにいられなかったんだ
書かずにいられなかったんだ
僕と「ボク」をかろうじてつなぎとめて
新しいセカイを忘れないために

そして「ボク」は僕へと戻った


また出会えるだろうか 行けるだろうか
オレンジの鐘が鳴り響く この場所に
1:05の奇妙な「ボク」に

パチン
パチン
パチン



2005/6/4


自由詩 オレンジの黙示 Copyright 青の詩人 2007-02-17 01:27:08
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