スコール
水在らあらあ






いいやもう
いいやもうって
思います
僕の言葉は
風に呑まれる

だってさあ
だってさあって
いうけれど
風が吹いたら
それでさよなら

いいやもう
いいやもうって
おもわなきゃ
僕と君とは
風に呑まれて

どこへでも
どこへもゆける
わけがない
いやわけがある
いやわけなんか

どこへでも
どこへもゆける
僕たちは
風にまみれて
風にまぎれて

春風が
もうすぐ吹くよ
そうしたら
ほらあたらしい
道がひらける

だからさあ
もう言っちまえよ
すきだって
大好きだって
大好きだって

たとえたら
日を浴びていま
はぜそうな
南フランス
葡萄の一粒

泣けばいい
泣いてもいいぜ
いつだって
おまえのことが
心からすき

いいやもう
もういいだろう
いつだって
おまえのことが
心から好き

黒豹が
木の上にいる
公園で
おまえの噛んだ
りんごを投げる

楽園は
楽園なんて
いらないぜ
だって僕らは
風に吹かれて

風が呼び
砂が舞ったら
さよならだ
だからそんなに
空を見ないで

水が在る
蛙飛び込む
水がない
おまえの胸に
ダイヤを散らす

水が在る
ずっと流れる
水が在る
心は乾いて
それでも乾いて

もういいか
もういいんだよ
なにもかも
だってどうなる
わけでもないし

コーヒーを
入れてくれたら
傷口に
未来のこととか
思い出すかな

チョコレート
甘いから嫌
食べないよ
でも食べてほら
くちづけをして

刺青は
心臓の上
ピーターの
細いナイフで
刻まれている

ウェンディは
おまえのことさ
でも俺は
フックになりたい
東洋の猿

今日は雨
傘もささずに
どこゆくの
ああちょっと酒
きれてるからね

いつからか
いつからだろう
酒なんて
ネバーランドに
行けなくなって

橋の上
水を見下ろす
このこころ
カモメに喰われて
どこへゆくのか

帰り道
おまえのことを
考えて
らららら ららら
ららら らららら

帰り道
メランコリーは
メラメラと
降りこめる雨
たちのぼれ 虹



ふくらんだ
蛙の喉を
みるたびに
この心には
スコールが降る











自由詩 スコール Copyright 水在らあらあ 2007-02-15 11:36:16
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