暮れていく街角で
霜天

色々と大袈裟に語られることが多いから
一つを信じるにも力が必要で
惑わされないように見ないように
うつむきながら加速していく

こんな時代を
ゆっくりと流れていくのは
夕暮れくらいなのかもしれない


積み木みたいな街の隙間
西日に染められて
少しは綺麗に見える
人が溜まっていくスクランブル交差点
空を見る人は誰もいない

昨日の空のかたちを
答えられる人はいるだろうか
私だって遠くから見れば
人込みと同じ顔をしてるんだろう


順応 適応 流される
そんな言葉とは少し違う


そして私達は
何かを見るわけでもなく顔を上げ
歩行者用信号機の奏でる
間の抜けたメロディーを聞きながら
一つ一つを渡っていく



きっと
忘れ物をしています


自由詩 暮れていく街角で Copyright 霜天 2004-04-13 17:40:42
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