アニュメンテ
黒川排除 (oldsoup)

杖で次の間に導かれた煙と同席

みずからすいと立ちあがり山へ みずを張りに

岸辺の壁椅子で殴り第三の破片

折れるまで陸も日照りも続きます

コーヒー垂れるグラスにバザーの犇めきある

ぼけて噴煙の中の秒針になりたがる

砂防ダムかき回す雨後の長い雷

紙とゴムで知らされ家来の死は清き

発光体吐くまでなぞられ喘ぐ友

終点に黒く夥しく図書館

両側から髪を垂らして首持ち上げる

おおきな山のそばの発電所の小さなツマミ

しるしして余る塗料で鳥えがく

青は細く氷原は脆く束にする

荷を積んで月の番しにしににいく

格子戸に一途に硬化する水星

呼と吸の狭間の森まだ育つのか

石を揉む湖上の余白に懸けるべく

花を伝えに来てまざまざと姫の狂喜

朝を呼ぶうしろめたさが蝶の羽根


川柳 アニュメンテ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2007-02-11 02:17:13
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