Insomnia Horror
流希-Яuki-

悪夢と呼ばれた少女




眠れない日が始まって
眠ることに怯えだして
眠らないことを意識し始めた


「カラン」

何かの音が脳に響いて
ゆっくり近づいてくる

「コロン」

すぐそこまで
あと少し

「聞いてる」

話す声が鮮明になって
誰も呼んでないはずなのに
どんどんと近づいて
意識が意識として感じない

少女の顔が見える

「―――シ――イ――――――ヨ」

ノイズが脳を揺らす


何も見えない




                 悪夢となった少女



息が出来ない
喉元が噛まれているようだ
紅の水滴が啜られている

貴方は何を見ているの?

問いかけには聞こえない
見せている
見せている
見せている
見せている
見せている





少女
「今日で三人」
少女
「明日は良い事あったらいいね」
少女
「沢山眠って」
少女
「またお話しようね」






「                」


自由詩 Insomnia Horror Copyright 流希-Яuki- 2007-02-09 17:40:54
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