光がもどってこない
みい

「いいの、わたし、ここで暮らすの。」

おんなのこの言い分って、すごくわからない。
こんな真っ暗でなんにもないせかいで
放っておいて、と言うように。

ぼくは、
耐えきれずきみの
葉脈を食べた。

はらり、
かじられたせかいで
きみの生活のしてる音だけが聞こえる。

ぼく、
安定しないんだ。
きみの鼓動がないと調子があわなくて。


どれも正解じゃなかった。
ぼくはあわてて何かに目をむけた。
きみの喉を潰そうとした。
きみは、
ぼくの目を潰した。

どれも正解じゃなかった。
これが正解じゃなくても、
どれでもいいやと思うぼくがいて、

だた、ざりざりの舌で
ころがすこのせかいは、
目はなくても、甘いとだけ感じる。


 


自由詩 光がもどってこない Copyright みい 2007-02-08 20:07:44
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