手探りの灯り
小池房枝

いつも手探りなのだろう 最初の灯りを灯すひと
夜の気配に気がついて 最初に帰り着いたひと
それが何処かは分からない
小さな灯りが消えないうちに 火がおこせるとは限らない

最初の灯りを灯すひと いつも薄暗がりの中
あるいは真っ暗闇の中 
最初の灯りを灯すひと 最初の灯りを浴びる人
小さな灯りが消えないうちに 火がおこせるとは限らなくても

光らないひかりがあってもいいと思う
光らなければひかりではないと
そんなの言わせておけばいい
最初の灯りを灯すひと いつも手探りなのだろう


自由詩 手探りの灯り Copyright 小池房枝 2007-02-03 18:18:21
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