冬戯
木立 悟






しあわせに触れたら次はふしあわせお手玉の唄うなじ香らせ




あやとりの糸たぐるうちたどりつくふたつの胸のはざまのひかり




遠くをば見つめることすらできぬ夜みどり火の唄あお果つる唄




のぞきこむ目のなかに穂の人は居て私の夜をあおぎみている




冬の陽にひとり貴女が微笑めば荒れた手のひら水無月の降る




影揺れの絶えぬ無人の野に在りて鏡のなかの目と交わす唄




さかずきをかたむける先かがやいて遊ぶ子ら曳く水鳥の舟




降る雪に双つのすがた火照らせて昇りゆく羽ひとつたましい










短歌 冬戯 Copyright 木立 悟 2007-01-30 02:33:48
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