水、ガラス
黒川排除 (oldsoup)

真っ赤なポストを死顔みたいに撫でると雪

灰踏み固める笑顔第二波期待して

テーブルを隔てて海と侵し合う

降りるあてのない壁の上歩いている

暁の尖端で虫が震えていた

悲報掻き消す強風ねじれるシャツ取り込み

雨かぶり波紋寄せまた水柱

冷えた家に今帰ろうきれいな音階で

うおそよぐ頬ぴくりと斧振り下ろし

二つ折の紙開き山を描き閉じる

首都はガラス声と体温以外は捨てよ

ゴムボール放射 三味線遅く響き渡る

痩せた河に船底削る旅が骨身

熊自ら市場に向かう血が眩しくて

清き水落ちる谷底に男子いる

昼は長く庭を剥がれるのに充分

秘書ぼくに墨吐いて窓に寄れという

見て分からぬオール鳥がくわえて持ち去る

ふるきまちのまもり十字路は水で満たされ

遠い象に踏みにじられたい足投げ出し


川柳 水、ガラス Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2007-01-27 06:50:04
notebook Home 戻る  過去 未来