レテの果て
小池房枝

月が
川に映っていたので
石を一つ
投げ込んでみると

水ではなくて石

石ばかりが
ごうごうと流れているのであった

けっこう危険な川である

言葉の川 流れて行く
言の葉の海まで

ただ単にどこまでも希釈するだけという
果てしなくも
確実な
浄化の岸辺

霧の入り江 湿りの海まで


自由詩 レテの果て Copyright 小池房枝 2004-04-07 22:13:48
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