つき の はな 5
砂木



月の 蜂つぼ  
ねかせられた
宿のない小石

そらんじた沈黙
からかうような
漆黒の 隙間

吹き矢に痺れる
鈴の壊れそうな
苦みになく小声

外堀の端に 蝶が あらわれようとする
重なる羽と羽は ぱたりと 落ちる

 


自由詩 つき の はな 5 Copyright 砂木 2007-01-14 23:19:02
notebook Home 戻る