車内
たもつ



弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だった
窓からは海に沿って工業地帯が見える
いい生徒さんでした
隣にいる担任の先生が教えてくれた
僕は何も教えたくはなかった




自由詩 車内 Copyright たもつ 2007-01-10 09:20:40
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