空気自転車/たもつ
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- アラガイs 
---2023/08/06 07:35追記---

空気自転車。すべては白紙になる~白い。というのも太陽光線を取り上げてもわかるように自然の中では色彩も隠されているのですが、それを我々は無理やり白い色として塗り込めてしまう。対極的に混ぜ合わせて黒い色にしてしまうのと同様に。
モノクローム症候群、でしょうか、色彩のない~何々、という題材を取り上げて書かれる物語も多いですね。夢の世界みる物語で、私は色彩をはっきりと認識できたことがありません。もっとも色彩にあふれた夢を見た。という人も中にはいるのでしょうがそれは何色か?と尋ねたならばどうなんでしょうね。はっきりと覚えているのかしら。少し疑問は残りますが、空気自転車。というのだからこれは夢の中にみる空に駆ける風船のようなモノでしょう。浮かび上がり上空から俯瞰してみる視線なのです。この上空からの視線が語り自身だとすれば白紙とはモノクロームな夢の世界と対になるわけです。終わりの連には、その応えのようなものが受け取れてきますね。~白紙がまた産まれ、白紙は次の白紙へと引き継がれていく。いつかは大人になる。そんなあたりまえのことを、わたしたちは誰かに許してほしかった。~誰かに、とは誰のことでしょうか。引き継がれていく。とあるのだからこのことを血のつながりに見立てれば血族、いわば両親だということになりますが、ここでは白紙とあります。血の赤色ではない。このことは夢の中で漠然とみることのできた白い記憶の色。けっして取り戻すことのない不可逆性。つまり空気自転車とはその過ぎ去った時間だということでしょうね。こういう終わりの連などは詩を読み解くという行為を考えればいい修練にもなりますね。他の方々も是非挑戦してみてほしい。
全体的によくできていて、これを私的に、また比喩的に表現するならば(鳥籠の中に囲われた風船の詩)わたし(語り手)はぷかぷかと浮かぶ上空から、夢のように現実を眺めている自転車で、それは過ぎ去った過去(時間)を、けっして取り戻すのことない記憶をいまもみつめ続けているのである。ということもできるのではないか、と思いました。



---2023/08/06 08:52追記---
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作者より:
読んでくださってありがとうございます。
アラガイさん、コメントありがとうございます。
こうして詩のお話を読んだり聞いたりするのは
楽しいですね。それで自分の詩の振り返りに
なったり、他の人の詩を読むガイドブックに
なったり。また機会があったら詩のお話、
聞かせてください。

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