作者より:
その瞳をみていたら
2012*10〜2013*05より
ある秋の日
仮設住宅に暮らす
女性が御自宅に招いて下さいました。
玄関を入りますと三畳間が二部屋に小さなキッチンの住居。
女性は ご自身が被災者でありながら「みなし」と呼ばれる仮設住宅以外で暮らす方々の支援をしていらっしゃいました。
また、草履を作っては東京のご友人に売ってもらってるとのこと。
一針一針が
地道に丁寧に生きていらっしゃる女性をうつしだしているようだったのを覚えております。
……狭い部屋に作りかけの草履が積み上げられている光景が美しかった…。
帰り際 息子に青い草履を持たせて下さいました。
それを抱えて玄関を出ますと、息子と同じ年の頃の少年が一人ボールを蹴っていた
あの時
私の横で 肩の背を過ぎた息子が見た光景は、きっといつまでも記憶に残るでしょうね。