雄勝硯(おがつすずり)石巻市〜その瞳をみていたら〜より/黒木アン
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- 宣井龍人 
- ただのみきや 
- 秀の秋 
- こひもともひこ 
- 夏美かをる 
 
作者より:
〜600年の歴史をつなげて

室町時代にさかのぼるとされます600年の歴史をもつ雄勝硯は、国指定の伝統工芸品であり、滑らかな岩肌と独特の黒い光沢でしられます宮城県石巻市の「雄勝石」を原料とし、硯生産日本一でございました。

全国的に書離れが進み、輸入品にもおされてはいますが、震災後には、水に浸かった傷だらけの硯を修復し生産を続けていらっしゃいます。

震災後に市内にはお一人の硯師さま。
しかし、その歴史を途切れさせてはいけないと、数名の方々がそれぞれの避難先で伝統を守り続けていらっしゃいます。

お話をうかがいましたら、長い時を必要とはするものの、機械や材料が揃えば、硯の安定した生産に見通しは暗くはないとのことでした。

応永の昔より、地の産として、呼吸一つにも誇りを持つ雄勝の血に彫られました硯は、迷いのない命脈を繋げています。

「書」は心を写すもの。
太古より日本民族には、人の喜びを自分の喜びとして、人の悲しみを自分の悲しみとして体得できます心情があるといいます。
この心が、私たち日本民族を栄えさせているのだとも。

本能的な欲求や感情を伝達する手段としてだけではなく、言い尽くせない世界を言葉に吹き込む情緒の脳、右脳が醸し出してくれます美しい世界に、日本語の味わい深さを感じるものです。

人情の機微や季節の移ろいを「書」に残してきた人々。

その傍らには「雄勝硯」がありました。

伊達政宗の墓所再建の折にも、副葬品の中から「雄勝硯」が発見されております。

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