空白/sample
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- アラガイs 
白紙の上に見た羽虫は 、
あなたが目覚める頃にはいないでしょう 。
色鉛筆を取りだして、線の端をなぞってみせます。
みずいろが水平線へ逃げていき、

大きな線は 波に運ばれ 、
小さな点は 風に巻かれて、
閉じた窓からひかりが差してくる。
羽虫は点になり、
白紙の上には地図がありました 。


※移動する鋭角な見えない影の線までが立体的に見えてくる。シャープさを効かせながらも、やわらかさを感じさせる詩ですね。





- 乾 加津也 
- 朝焼彩茜色 
整頓されたリズムに思います。また面白みもあると思います。(微笑み)
- 山人 
- こひもともひこ 
 
作者より:
新貝 常さん


わたしが住む街と
わたしがうまれた街それぞれに
赤いまちばりを刺して
そのあいだの海岸線を
指でなぞってゆきます。

新しい朝がやってくるたびに
貝殻をひとつ拾いあげ
常日頃から聞きなれた
水の呼吸や
枝葉がまばたきする音
そんな生活を聴いていました。

空と海のあいだにある空白に
七色の足あとを描いて
わたしをからだをそめるものは
一本の白い色鉛筆であったら
いいなと思います。



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