すべてのおすすめ
商工会館が閉鎖された街に
バナナ売りの声が響く
ゼラチン質の船に乗って
目の見えなくなった犬は
遥か遠洋へと向かう
たて笛の隣にある空き地に
僕と彼女は小さな家を建てた
悲しみ、とい ....
   晩秋

すでにざっくりと強剪定された太い枝の切り口を
寒空にさらす街路樹
いつも
心の底ではあてどなく遠いあしたを待ち侘びていた


   冬の雲

空一面に
狼の顔が ....
ほころびを縫う
小さな欠落をたぐりよせながら
そのひとつひとつを
確かめるように埋めていく

ほころびのない人生など
ない

冬の夜にほころびを縫って
いる

母さんにもらった針 ....
雪が朝から降っている
景色の輪郭を消しながら
道路の染みを消しながら
隣の境を消しながら

雪が一日降っている
人の予定を消しながら
人の日常を消しながら
人の時間を消しながら

 ....
車窓はいまだ固まらず
七三キロにえぐられる
ぐにゃりぐにゃりと 鐘がなり 
平たく 延び縮みした思いが
頭をぶちつけ 眼より飛ぶ
まどろみからはみ出す黒枝の
茂みの青い光をかきむし ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった

書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした

書こ ....
うっかりすると 本人も見逃しそうな 直立だった
それは闇夜のできごとだった
神技(かみわざ)の域

幾重にも 青天の霹靂が重なった年がつづいた 
ある新月の晩
カワウソが 岩の上 ....
落下してゆく
この躰

深い眠りに導かれていくような

でも
それが現実であり真実

孤独な夜
鈍い音と共に
深い深い眠りについてしまおう

いつかまた起きるとき
きっと他人 ....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む

たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく

た ....
大きな窓のしたで
セックスをしましょう
往来へでて
人殺しをしましょうか
それとも
花壇に種をまきましょうか

笛を吹きましょうか
肉を焼きましょうか
もうすこしここにいましょう ....
古新聞紙が家の物置に山積みになっている


今日は確か古紙回収の日だったと今朝になって気づいたが
今更になってこの大量の古紙を束ねてまでゴミ捨て場にいくには気が引ける



古新聞紙が ....
戦闘機の下では冷たい雲が群がって

回廊を泳ぐひとたちの吐息を隠している

均等に焦げた銃身の中でパンを焼く準備をしている

濃い目のシロップでお願い

ふんぞり返って偉そうな

 ....
新しい付箋を買いに出かけた
道すがら
ほろりほろりと
煙が立ち上っていたので
立ち寄った
少年がたくさんの栞を燃やしていたので
一枚もらった
少年は
本を持っていないと ....
 
 
石の言語
語られることのない
肉体の履歴

行間でさなぎは
静かに波となった

命のないものは
絶え間なく産まれ
命のあるものは
ただ数を数えた

都市を離れて
 ....
主よ、聞こえていますか?
幸福と不幸の微妙なバランスが崩れてしまいそうです
中の人からの苦情が殺到してます
ぬるぽ
がっ
ぬるぽ
がっ
もうすぐコメが1000を超えます
嗚呼、DAT落 ....
吃音的思考
促音が音叉のように
響き渡る
繰り返し繰り返し繰り返し

長音と撥音の区別の無い思考
一音節で何を語る
テンションとリラックスの繰り返しが
微妙にずれ

吃音的身体運動 ....
 埃だらけのコンクリートに影を焦げつかせ、
立っているひとりぼっちの後ろ姿を見つける
のに君がずいぶん手間取ったのは、二歳の子
には高すぎる太い鉄柵がちょうど君の視界を
遮り、そこからコンクリ ....
言葉、とは
不思議なものだ

スリッパだと覚えれば
スリッパ以外の
なにものでもなくなる
寒い冬
人の足をあたためて
踏みつけられているくせに
そのいでたちは
ほんのり可笑しみを含 ....
一、

 

ひとつ、ふたつ

もっと

でたらめなものとして

 



わたしの

きみのわたしの

きみ

 

 ....
凍る
水の表面で
足先から
凍ってゆく
満ち欠けの
潮騒のように
訪れては
去ってゆく
感情に
感覚が
乗っ取られる
肩の上に
降り積もる
雪は
道にできた轍を
消そうと ....
冬をついばむ
くちばし

幼い蕾が
羽ばたく季節の夢をみている
今はまだ色を持たずに

たくさんのおみくじが
今年の枝に結ばれて
羽ばたく明日を待っている

少し前まで
小さな ....
 襖で仕切られた四畳半の、その襖を開けるとまた四畳半、また四畳半、大きさの異なる箪笥がいくつもあり、埃避けの布を掛けた雛壇があり、その隙間にすっかり平たくなった綿布団があり、そんな部屋が前後左右に際限 .... ホームを切り裂いて列車がページを捲っていく。同色の
制服に制服を重ね着してずきずきと圧密する、頭痛がちな
通勤電車のようにきつく綴じられた紙の隙間を押し開き、ぼくと
膝頭から胸元まで触れるほど巧 ....
疾走するのは 本当にかなしみだけですか?


拘束する身体が 飛び跳ねながら太陽に舞い込んだ


黒い黒い太陽に
大晦日は
子供部屋のとびらを
あけておかなくてはならなかった
トシガミサマが来るので

トシガミサマ
というものがなにで
どんな姿をしているものなのか
わたしは知らない

ある年の ....
生徒はいないけれど、わたしは詩のせんせいなんだよと娘に言ったら、「わたしが生徒になるから詩を教えて」って言われて教えるものはないから書いたもの見せてって言った 初々しいと言えば
きこえはよいが
あのころの私はとても無知だった

結婚して初めて過ごす夫の実家でのお正月
おせちに「くわい」を炊くという
新種の宝石のような
淡い水色でつやつやの丸い物 ....
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まほろばが うたいはじめるのです
フライパンの中は カタクチイワシの まほろばなのです
心が自然と フライパンに降りてゆき
放物線をえがいて 炒られて対流する香ばしい香りに
うたいはじ ....
 
 
ひし形の歪んだ街に産まれて
時々、綿菓子の匂いを嗅いで育った

弱視だった母は
右手の生命線をなぞっている間に
左耳から発車する列車に
乗り遅れてしまった

毎日、どこかで ....
すいせいさんの自由詩おすすめリスト(430)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
見殺し- たもつ自由詩1113-1-16
晩秋・他- Lucy自由詩14*13-1-15
ほころびを縫う- そらの珊 ...自由詩1713-1-15
雪が降る日- ……とあ ...自由詩18*13-1-14
車窓の詩- すみたに自由詩1*13-1-14
書こうとしたことを忘れてしまって- 小原あき自由詩21*13-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- るるりら自由詩10*13-1-13
暫し、- 湊 憂羽自由詩213-1-12
調剤室で- そらの珊 ...自由詩27*13-1-11
とてもいいところ- はるな自由詩1013-1-10
新聞紙は十二時を過ぎるとシンデレラになる- 赤青黄自由詩3*13-1-10
氷頭なます- カマキリ自由詩213-1-10
付箋- knit自由詩613-1-9
足跡- たもつ自由詩613-1-9
春木の歌- within自由詩4*13-1-9
吃音- ……とあ ...自由詩11*13-1-9
動物園- Lucy自由詩19*13-1-9
名前を呼ぶ- そらの珊 ...自由詩23*13-1-8
不一致- 佐藤真夏自由詩3*13-1-7
一月- within自由詩8*13-1-7
素描- そらの珊 ...自由詩18*13-1-7
戦闘少女、戦闘少年- 片野晃司自由詩1613-1-6
ともだち- 片野晃司自由詩1013-1-6
クォンタム_ブレイン- 佐藤伊織自由詩313-1-5
歳神様- 吉田ぐん ...自由詩1513-1-3
詩の先生- 鵜飼千代 ...自由詩15*13-1-3
くわい- そらの珊 ...自由詩30*13-1-1
檸檬爆弾(大画面専用)- こひもと ...自由詩5*12-12-30
末広がり- るるりら自由詩18*12-12-29
誕生日- たもつ自由詩2312-12-28

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