すべてのおすすめ
ひとつだけ私の肩に舞い降りて小鳥になるよ今日は雨降り
こんなにたくさんの雨粒があるのなら
ひとつくらい雨粒になってしまう魔法に
かかっている小鳥がいるのかもしれないと
思 ....
子供のころ
とりかえっこが大好きだった
友達の靴はわたしには窮屈だったし
弟の枕は乳臭かったけれど
自分以外の人を感じる楽しいゲームだった
とりかえっこのあとには
必ずとりかえっこが返され ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
....
丸ごとの白菜は
野菜というよりは
赤子のような
生きている重量があって
大切な預かり物のように
抱きかかえれば
ここは冬の入り口
ひと皮むくごとに葉は
正しく小さくなる
まるで
....
黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた ....
取り忘れたのだろう
束ねられた
豊かであった髪を
解体しながら
(舞踏会は終わったわ)
ていねいに
抜き取ったつもりでも
女の指から
逃げおおせた
小さな
黒いそれが
おそら ....
木苺に僕が夢中になってたら ずるいよ母さん消えちゃうなんて
どんぐりをバケツ一杯食べた日は 僕の内からひしめく芽吹き
こんばんは独りになって見上げれば月も偉大なひとりぼっち
熊の皮か ....
今、空の底にいます
屈折した光に包まれて
案外うまく歩けています
地図を読むことは
相変わらず苦手だけれど
磁石を温めて
風を読むことが出来れば
目的地にはいずれ
たどりつくかもしれま ....
スーパーマーケットで、安寧芋という名前の芋を買ってきた。鹿児島の種子島の特産品らしい。
よく出回っている鳴門金時芋より少し高いけれど、トースターで焼くと黄金色の身は柔らかく溶けるようで、それだけでも ....
美味しそうなものに向かうと
全身全霊、前のめりでピンと張る
いつも一緒かと思いきや
左右別々に、動いてもみせる
音を拾います
そこから
ここまでの
世界を知るための複雑な情報であ ....
かつてキッチン(というよりは台所)は裸電球で照らされた寒い島だった
幼い私は台所のことを「だいどこ」と呼んで入り浸っていた
窓からは川へ下る坂道と隣家
(といっても音なんか聞こえないくらいには離 ....
きのこから
かすかに放たれる
木の薫り
ふかふかのおがくずに
そっと置かれた
誠実なお守りが
息をしている
きのこ
は
木の子
木の子ども
木は森の子ども
森は山の ....
右折を待つ
ウインカーが
正しくその意思を刻み始めれば
心臓の鼓動と
いつか同調する
反復
同化
ト切れぬ
直進の車
既視
夕日
影法師
見送ることに
慣れて ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう
探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう
あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください
大きな腹を抱え
一晩かかって ....
細い髪の毛は実にからまりやすく
しじゅう梳かしてあげないと
やけっぱちになった団子になる
しこりになったそれ
まるで永遠に解くことのできない
知恵の輪みたいで
まるで
宇宙だねと
....
美しい言葉を
うすぺらいと
思う人もいる
人の心や現実というものを
わかっちゃいないねと
笑う人もいる
そこへたどりつくまでの
流した涙を知らずに
美しい言葉を
幻想だと
突き返す ....
もうそろそろだと
祖母は言う
おかいこさんのからだが透けはじめると
そのうち糸をはきだして
楕円のおうちで
別者に生まれ変わるのだと
その不思議な虫は
一日中
桑の葉を食べている ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう
通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す
香典の額を算段して
....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら
端をほんのわず ....
遠吠えが連鎖してゆく昏れた空おおかみだったチビとかルルの
むしのねがあんまり近くにいるもので内なる声かと耳をすますよ
秋の日に縁もゆかりもなかった人と過ごした時をたどってみたり
はら ....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
....
君は
覚えたての「こんにちは」を
わたしがこぐ自転車の前に付けた補助椅子から
道行く人はもちろん
畑仕事をしている人にも
隔てなく投げかける
たいていの人は
一瞬驚いたような顔をする ....
やわらかな鉛筆の芯で
ここにはいない君を
スケッチしました
身体をおおう毛は
鉛筆を少しねかせてふんわりと
ひげは鉛筆を立てながら
細い針金のように
それは君の
生きることにまっすぐだ ....
どんなにおそろしいか
どんなにふあんか
まくらやみのなかで
ふみだす そのいっぽ
声をかけられなかった
ずっと昔
学校帰りの交差点で
その人は白杖を持って
信号待ちをしていた
声 ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
それが不意打ちであったため
タオルケットだけの ....
汗でもなく
涙でもなく
果物から
液体が染み出てきて
それは
どれも芳しく
汗でも
涙でも
薬でも
ましてや毒でもないから
(万が一毒だとしても)
私はありたけを込めて
愛して ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている
ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら
肉体は部品となって
ていね ....
Lucyさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(396)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
あなたは誰ですか
-
そらの珊 ...
短歌
15*
14-12-11
とりかえっこ
-
そらの珊 ...
自由詩
13
14-12-8
魔法使いになりたかった
-
そらの珊 ...
自由詩
15
14-12-5
白菜白書
-
そらの珊 ...
自由詩
21*
14-12-4
秋のフレイム
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
14-11-28
Uピン
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
14-11-20
月と小熊
-
そらの珊 ...
短歌
12*
14-11-19
この手の先にある空の果て
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-11-17
夜更けの紙相撲_霜月あるいは食物月(おしものづき)
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
15*
14-11-15
饒舌な耳
-
そらの珊 ...
自由詩
16
14-11-5
キッチン
-
そらの珊 ...
自由詩
15
14-11-2
PORTE-BONHEUR_【詩サークル群青十月のお題「山」 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
15
14-10-29
家路
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-10-22
かりそめ
-
そらの珊 ...
自由詩
17
14-10-18
じょろうぐも_【詩人サークル「群青」_九月のお題「悩」への提 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
14-10-16
台風を待つ朝に
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
14-10-13
赤い月はノクターンを奏でる
-
そらの珊 ...
自由詩
17+*
14-10-10
偏愛
-
そらの珊 ...
自由詩
24
14-10-8
まえぶれ
-
そらの珊 ...
自由詩
23
14-10-4
秋の抽斗
-
そらの珊 ...
自由詩
18
14-9-28
むしのね
-
そらの珊 ...
短歌
6
14-9-27
あかい花
-
そらの珊 ...
自由詩
26
14-9-26
こんにちは。
-
そらの珊 ...
自由詩
22
14-9-20
猫_【詩サークル_群青_八月のお題「猫」から】
-
そらの珊 ...
自由詩
22
14-9-16
白杖の人
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-9-11
いちじく
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-9-8
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-8-29
のどごし
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
14-8-27
小児病棟
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-8-26
心だけ小さな舟に運ばせて
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-8-17
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
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14
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