すべてのおすすめ
ほおづきのうすい衣に隠された中に在るのが心なのです
触れたならかすかに心寒くなるふかづめの指先のあやまち
みづぞこに沈んだ家のポストには時々手紙が届くそうです
白波がサーファーたちを ....
冬の夜
わたしのうでは母に貸すものと決まっていた
ほどかれたセーターの毛糸の輪を
うでに通してかかげていると
母はそのはしをくるくると巻き取って
毛糸玉を作る
単純な作業は退屈で よく居眠 ....
雨上がりの朝 音楽会は終わり あたりは拍手のように光っていた
──終演
濡れた落ち葉は閉じられた楽譜 土に還る日を待つのだろう
──静謐
鳥は何の疑問もなく冬へと向かう ....
夜汽車の音を聴きにいく
眠れぬ夜のなぐさめに
長く尾をひく汽笛
行く人のさよならのように
旅のゆくえを指し示す
線路のむこうは闇に溶けている
行かない者のさみしさを
私はぼん ....
春に生まれた掌が
今 燃えている
血管に赤い血をめぐらせて
秋の沸点はとても低い
燃え尽きたあと
何もつかめないまま
地に落ちる たったひとつの
例外もなく
執着もなく
燃え ....
海に心を映してみれば
おんなじだよと
波がいう
満ち足りぬ
満ち足りる
くりかえす
やさしい
さざ波
消えた家族のその後は誰も知らない
あのあたりの地主だったという 長男が
次々とこさえた借金を返済するために
土地を売り飛ばし とうとう最後は自宅まで
手放したらしい
跡地にはマンションが ....
晴れた日曜日に車を走らせれば
道々に白いけむりが立ちのぼっている
枯葉を燃やしても
人を燃やしても
家を燃やしても
出せなかった手紙を燃やしても
その煙の色は白い
かたち在るものは
燃 ....
秋の野に草冠をそっと載せ誰もたたえぬここは萩国
五芒星わたくしの摘む紫の桔梗を君は星だと教え
撫子はまわるまわるよ幼子の見つめる先でかざぐるま
日が経てばすすきの紅い穂もはじけシャン ....
引越しの朝は
言い換えれば
旅立ちの朝
窓を開ければ梨畑が広がる小さな部屋であった
季節が巡れば白い花が再び咲くことだろう
春の雪のように
ほんの仮住まいといえ
思い返せば数年の愛着 ....
晴れた日に口紅を買う
いろいろ遠回りをしたけれど
やっと自分に似合う色をみつけた
女はもともと紅い口紅をつけて
生まれてきたのに
日々の雑事に追われて
いつのまにか
それは色あせ ....
日曜日 うっかりペットショップをのぞいてしまう
生まれたばかりのかわいい仔犬が
ガラス越しにじっとわたしをみつめてくる
さっきまで泣いていたかのように黒い瞳が濡れている
この人はここから連れ出 ....
横向きで寝る
いっさいの灯りを消しても
消せないものが浮かんでくる
まぶたを閉じても
眼球が光のない世界で動くように
スイッチを切ったつもりでも
同時にもうひとつのスイッチが押されている
....
夕刻の道
ヘッドライトをつけると
うす暗い未来に
灯りが
ともる
おまえのゆくべき道は
目の前にあるではないかと
指をさすように
向こうからも
ふたつの光の輪が
あらわれて ....
海に似せた塩水の中で
アサリが生きている
暗い冷蔵庫の中で
触手を伸ばし
冬の海だと勘違いする
時々さみしくなって
ステンレスボウルの海底で
誰かを探してキュウと鳴く
わた ....
家の中の草原です
それは
冬の朝であっても
凍らない草の原
人に踏まれて
煙草の焼け焦げをつけられ
とうに瑞々しい緑は失われ
白茶け くすんで 擦り切れている
それでも私は草な ....
私は冷たい蝋燭です
暗い足元を
照らしてあげるふりして
本当はあなたの狂気を照らしているのです
私は冷たい蝋燭です
嘘だと
思うなら
私の灯に
触れてみて
とてもとても
冷たい ....
蟹鍋の
シメは雑炊に限ります
独断ですが
鍋を預かる私の特権なので
異議は認められません
鍋の湯に
眼に見えないほどの
小さな粒子になって
溶け出した
蟹の
本当の味がします
....
舗石の下には砂
自由の下には旗
投げつけられた火炎瓶
怒号、
硝煙、
五月革命のパリ
嘘つきアルベール
誰しもあなたのことをそう呼んだ
真実ばかりじゃ息がつまっちまう
たまには嘘 ....
元親 ミッドさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(49)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
夜のステンドグラス
-
そらの珊 ...
短歌
10*
12-11-18
ふゆのうで
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
12-11-16
冬鳥
-
そらの珊 ...
自由詩
20
12-11-15
夜汽車
-
そらの珊 ...
自由詩
19
12-11-13
楓
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
12-11-9
さざ波
-
そらの珊 ...
自由詩
19
12-11-8
消息
-
そらの珊 ...
自由詩
12
12-11-7
白いけむり
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
12-11-5
秋の草によせて
-
そらの珊 ...
短歌
11
12-11-2
つばめよ、つばめ
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
12-11-2
ポム・ダムール
-
そらの珊 ...
自由詩
14*
12-10-31
ペットショップで
-
そらの珊 ...
自由詩
15
12-10-30
夜へ
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
12-10-29
ヘッドライト
-
そらの珊 ...
自由詩
13*
12-10-27
擬似世界
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
12-10-22
冬の朝の畳
-
そらの珊 ...
自由詩
10
12-10-20
冷たい蝋燭
-
そらの珊 ...
自由詩
9*
12-1-3
ありがとう
-
そらの珊 ...
自由詩
7*
11-12-30
嘘つきアルベール
-
そらの珊 ...
自由詩
10*
11-11-29
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