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猫のびゃあびゃあ鳴く夜には
アイロンをかける
ハンカチを熨して
ブラウスを生き返らせ
スラックスには折り目をつけて
折り目正しくなるように
折り目正しくなるように
だれか私にも折 ....
わたしは
ノスタルジーだけでは詩はかけない
安易なイメージだけでは詩にならない
安易なイメージは、現実のなかにはないことが多い
詩を書くときはいつも、おし込めた思いが、わたしを食い破ろうと ....
こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。
わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。
いつもそうやって温度差があり
....
眼鏡をはずし
目の前を水中に沈めれば
外灯は滲み
ひとびとは陽炎になって
せかいはちいさくちかく、まるくなると
おもっていたけど
無限のひろがり
おとこもおんなもなく
泳ぐような身 ....
枕元に かばんに 机のひきだしに
いつもゆびさきでふれていた表紙
折りぐせのついたページ
だいすきな文のかたまり
好きなので ひゃっかい読みました
ひゃっかい読んで 覚えました
かんぺ ....
もつれた毛糸をほぐそうと
ひっぱったり、ひっくり返したり
しているうちに
かたい結び目
いくつもできて、みつかります。
ああ、これはもう、すんなりとした一本の毛糸には戻りません。
しな ....
梅雨の雨に打たれても
冷水のごとく頭を冷やしてくれるでもなく
ただじっとりと皮膚細胞の表面を融解させていくだけなので
五月雨には稀塩酸が溶けている。
猫は命が九つあるというが
命を七つく ....
うーん、もう
どうにもこうにも
まったく、やっかいなので
くちびるを接着剤でくっつけちゃいました。
くっつけちゃったので、しゃべれません。
これであんしんあんぜん、口は災いのもと。
あ ....
昨日買った文庫本
電車内で 読んでたら
意外なくらい するすると進む目。
逸るのではなく ただするすると。
奇妙な感じ。
そうだ!
デジャヴだ!
前にも読んだ。
ひとから借りて。
....
「赤ちゃんは
この世に産まれたのが 苦しくて 怖くて 泣くのです」
と誰かが言いました。
笑わせないでください。
産まれたばかりの赤ちゃんは まだこの世なんて知らないのです。
あの ....
あなたのせい
と、言わないのは やさしさ
と、じぶんのおへそに
言い聞かせていた
けれど
これは プライド。
わたしがわたしでわたしの重みに耐えるため。
**
日付が変わる直前 ....
春の日の午後
かわいた洗濯もの
藍いろのセーターを抱きしめたとき
はっとした。
ぼくの、鼻腔のおく、ちくちくとはじける火花
目のおく、熱がひろがる。
あなたの肩の、匂いがしたものだから ....
背筋の皮いちまい、書き割り背負って
動くうで。
きびきびとした足音。
ひるがえる制服の裾。
ロボットの正確さ。
薬品のにおい、エメラルドの泡。
社会的な視線に規定される ....
運命線がないんだね
ってだいすきなあなたに
言われたので
なんだか、無性にうれしい。
つまるところ
わたしの指には赤い糸がないので
わたしとあなたは運命じゃないし
前世の行いのせいじ ....
ことばよりさきに
脱ぎ去れない肉体を持って
取り乱す
見上げれば
木漏れ日が
からだを斑に染め
赤と緑に、網膜が灼ける
わたしは、うまれてしまったのだ
あかくふよふ ....
こひもともひこさんの凍湖(とおこ)さんおすすめリスト
(15)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
折り目正しく
-
凍湖(と ...
自由詩
4
15-9-12
わたしに書かせるもの
-
凍湖(と ...
散文(批評 ...
5
15-8-7
手の温度差
-
凍湖(と ...
自由詩
16*
13-10-17
近視の夜歩き
-
凍湖(と ...
自由詩
10
13-9-3
おもいもかけない
-
凍湖(と ...
自由詩
3
13-8-27
もつれた毛糸
-
凍湖(と ...
自由詩
6
13-7-4
わたしは猫になりたい。
-
凍湖(と ...
自由詩
5*
13-6-13
お口にちゃっく。
-
凍湖(と ...
自由詩
2*
13-6-11
青い表紙の本
-
凍湖(と ...
自由詩
7*
13-5-24
勝利
-
凍湖(と ...
自由詩
5*
13-5-22
魚に
-
凍湖(と ...
自由詩
4
13-4-18
藍いろのセーター
-
凍湖(と ...
自由詩
4
13-4-4
記銘、居続けるために。
-
凍湖(と ...
自由詩
4
13-3-5
運命線がない
-
凍湖(と ...
自由詩
5*
13-2-26
ことばよりさきに
-
凍湖(と ...
自由詩
9*
13-2-25
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