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    北

極星のもとに彼は立つ
視界に都市と荒野を広げて
その指先から綴られゆく言葉に
閃く叡智の稲光


    西

葡萄色の雲を漂わす
美しい黄昏の瞳
彼は歌う 深々 ....
何に耐えかねてか
世界からぱらぱらと言葉が剥がれ落ちる
きらめく言葉
傾いた言葉
青ざめた言葉
しどけない言葉
跳ねまわる言葉

何に耐えかねてか
僕からもぱらぱらと言葉が剥がれ落ち ....
彼は詩と戯れている
彼は詩を知らないけれど
詩と深々と戯れている
だから彼は踊る
誰よりも美しく

彼は恋を知らないけれど
薔薇の愛撫も菫の接吻も
知っている
だから彼は踊る
あや ....
一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
こひもともひこさんの塔野夏子さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
方位座標系- 塔野夏子自由詩7*15-12-29
静かな手- 塔野夏子自由詩7*14-11-3
彼は知らない- 塔野夏子自由詩6*14-6-23
- 塔野夏子自由詩9*13-7-29
夜を溜める- 塔野夏子自由詩18*13-6-1

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