すべてのおすすめ
髪の一本一本を
毛穴の一つ一つを
しわのあいだを
襞の縫い目を
歯の表を裏を
すべてを磨く ....
夕べ見た理不尽な夢を
起きぬけのコーヒーに浮かべ
スプーンでぐるぐるかきまわす
寝起きの頭はぼさぼさで
....
いつかはいろんなことが上手くいき
少しはしあわせになれると
今でも信じている
現実はそう甘くなく
事態はより深刻と複雑さが絡まっているが
....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
まるで山間をながれゆく
せせらぎのような人でした
からだは一滴の雨粒で成っており
どこまでも沁み入 ....
あおい空の向こう側
彼岸のかなたに届くまで
大きく大きく手をふって
元気です、と
あなたにすべて ....
冬がひきこもっていた
クローゼットを開け放ち
ハンガーにヒヤシンス
春のドレスが花ひらくを待つ
頼りなげな薄手 ....
靜かな小夜の幕が落ち
氷がカランと啼きました
喉を刺すのは涙の小骨
盃を重ねど取れませぬ
刺さった小骨持て余し ....
みぎの手で
みぎの乳房
ひきちぎり
この空が
とわでなくて
よかったと
ふかい ....
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