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小春は 咲いていた
いたいけな木枯らしに とまどいながらも
茨の木も葉を落として
生まれた詩たちが 真っ裸になる この秋空に あなたは
腹を満たすために
寒さから身をまもる ....
流れ着いたころにはなかった公園
なかったベンチもすっかり馴染み
時を重ねている
けれど経つことない
思いは今日もため息に
変わり移ろいを 笑い飛ばしたいのに
過ぎた写真機を懐いて 佇むばか ....
気持ちが沈み込む日には
煮込み料理を
作るに限る
強すぎる想いは
香味野菜と一緒に束ね
鍋で煮込んでしまえばいい
「生野菜で出されたら
たまったものじゃありません」
....
東京の町の端っこが
がんばって光っていた
うまくいかない悲しみも
うまくいってる悲しみも
ゆらり揺られて光って
静かに騒がしかった
地球よ、地球
もっと来い、来い
地球よ、地球
....
夜風がやさしく舐めていた
心たちがそよそよと泣いていた
工事現場のような剥き出しの鉄骨
それがライトアップされてオレンジの夜
引きずる車輪の音がする
闇の中に緑のシルエット
ひかりが時間 ....
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない
田舎だからといって夢がないわけでもない
田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ
田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
わたくしが地上に降りようとしていたとき
まっすぐに地をめざしているとき
宇宙の先にある青い星を目指すことは
それは まるで 円錐の底から円錐の先を 目指すようでございました
空間は細ら ....
彼と御嶽山へ行った
人生初めての山登り
登りより下りが辛くて
小さな滝を目指して
歩き続けた
先が見えない
ゴールが見えない山道に
辛くて苦しくて涙が出た
彼は私に、いっぱいいっぱい
励まし ....
健康に関する悩みごとは
当事者にしか分からない
それが悔しくて
ぼくは共に苦しもうと思って
この中秋の月をながめていた
あの輝きが
共に苦しもうとしている姿に
思えたのだ
健康に関 ....
目の前いがいが暗くなる
だから前しか見れなくなっている
暗くなるまえ
目の前いがいが緑色に蝕まれる
緑色は
やがて真っ暗い
闇になって
ありがとう、あなたの声を聞いていた
あなたしか ....
浅い秋の山麓にはまだ夏が僅かに匂いを留めている
霊園のなか
木漏れ日に似て
かすかな静謐の羽音を伝えるもの
誰かの魂の代償としてここにやすむメタモルフォーゼの
しるし
霊園の空は高く
夏をとむら ....
今日は私の誕生日
羊毛で小さなケーキを作った
素敵な誕生日に
なります様に…
その瞬間 ホールドを掴む ためだけに自分と闘う
俺だってわかってないんだ
手を伸ばして 失敗しても人生なんか たいして変わらないこの指で
必死で 必死で
ホールドを ....
ひとは 絶望に 道を譲り
うなだれて 夜道を行く
けど
踏み潰しそうな
希望があるかもしれない
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