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たとえば
地下鉄のホームにゆらめく陽炎を見ることができたり
たとえば
街中の吸い殻捨ての汚れが気になったり
そういう人だけが
私と出会えるのよ
そういう人だけが
私といても大丈夫で
そ ....
長かった戦争も終わり
とばっちりをくった君の街でも
ようやくガス管の再整備が終わったらしいと
遠くの街のテレビから流れる異国の言葉を耳にして
何故涙を流しているのか
自分でもよくわからない
 ....
都議選の宣伝車が姦しく徘徊している。「お
願い」であるのなら人に迷惑をかけてもいい
らしい。名前の連呼。連呼。夜に働く人たち
の票は必要とされていない。連呼される名は
誰に名付けられたもの ....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
遠く、遠く、遠い場所で
何かが揺らめいている
ように見えるんだ
そして消えるんだ
追いかけないんだ
そこにいるんだ

交接、の前の
寂しさが好きだ
触れる直前の、一瞬の孤独
 ....
子供たちの手はあまりに小さく
死を乗せるには頼りない
持て余された欠片は
静謐な砂漠の砂のように
足元に溢れ
踏み潰され

「見た? 見えた?」と誰かが囁いている
「アレかな? よく見 ....
蛹の時代は終わったと
鱗粉まみれの陽光を謳歌する
ここには花が少ないからと
蜜の代わりに蜂蜜を
葉の代わりに
デッキチェアを

さようなら、また今度、遊びましょう、晴れの日に。
そ ....
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
初めて見かけたのは午後6時
センター街の陰でうずくまり
待つことを放棄しながら
背伸びをするリップスティック
名前は知らない
まだ明るい
これからの夜

1人でいる子を狙うほど ....
深夜
血を吐きました
世界が
美しくなりました

君には秘密にしておきます

部屋の中は君の寝息でこんなにも静かなのに
テレビの中では相変わらず人が死んでいきます
閉じられたブライン ....
さよならの温度が肌に絡み
満月が揺らぐので私は
消えていったあなたのために
右の頬を撫でてあげる
幾たびも満ち欠けを繰り返すあなたに
満月は寄り添うので
もうそれ以上
満ちることはな ....
約束されたことは、なかった
ただ一度も、なかった
噛み合わない歯車が磨耗を呼び
嬉々として
それを食い潰した
約束されたことは、なかった

約束されたことは、なかった
なだ ....
脂喰坊主は地下鉄の端で
ホームに顔を突き出して遊んでいる
駅員が慌てて止めるが
大丈夫
脂喰坊主は死なない
脂喰坊主はバツの悪い顔で笑う
それから
目を閉じてかっきり一秒
 ....
けだものの口からはいつも涎が垂れていて
その臭いは数百メートル先まで届くが
けだものは気づいていない
もちろん
涎が垂れていることに

けだものの体毛は針のように硬く
生えている ....
三月になるとクラスメイトのほとんどが濡れていた
雨、と言ってもいいのかもしれない、粒子のような
猿、なのかもしれない本当は猿なのかもしれないね
と、語り合う口の中から粒が
   ....
Oh!no!さんのいとうさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
castaway- いとう自由詩14*06-8-24
同じ空の下で- いとう自由詩17*06-3-17
ランドサットの日曜日- いとう未詩・独白705-6-28
やみまつり- いとう未詩・独白1205-5-16
セックスの話をすると腕が痺れるのでセックスの詩を書こうと思う- いとう未詩・独白12*05-3-2
さよならの挨拶を- いとう未詩・独白7*05-2-15
船旅のアゲハ- いとう未詩・独白905-2-5
2005.1.1- いとう未詩・独白3505-1-1
渋谷。リップスティック。14歳。- いとう未詩・独白1304-12-28
こんな夜に死んでいくのかもしれない- いとう未詩・独白2404-12-28
シルフィード- いとう未詩・独白704-12-20
霜降る月の霜。踏み拉かれる前の、あなたへ- いとう未詩・独白1204-11-10
脂喰坊主_と- いとう未詩・独白1404-10-13
けだもの- いとう未詩・独白29*04-9-15
卒業- いとう未詩・独白604-3-30

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