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とても静かだった
自分の前後に自分がいて
とても静かだった
口笛で消えた
手のひらは離れた
離れながら鳴った
いろいろ混じる無色の
音未満だった
声は ....
わたしは何かを見に来ていた
一匹の蝿
一羽の鳥
空は空に
海は海にひとつずつあり
遠くも近くも聞こえずに
陸へ陸へと近づいていた
ひとつがひとつのまわりをまわり
....
ぼんやりとした広い場所のあちこちに
色 数 かたちを変えながら
光が点滅しつづけていて
指先にしか届かないくらいの
かすかな熱を放っている
捕らえようとひらかれた
片 ....
あばら骨を浮き立たせたまま
空はどこへ埋まろうとするのか
墓地の土は硬すぎるのに
操車場の跡は狭すぎるのに
まわりながら燃えあがるかたちを
位置も時間も持たないものが
....