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蜘蛛の足が
多すぎるからと言って
面白半分に引きちぎる子供
休みの日が
長すぎるからと言って
魚を釣り上げたあと
血まみれの口から
針を引き抜く釣り人 ....
なにかになる
と願いながら、
まな板の上に
かみねんどが
しろく しろく
うずくまっていて。
なに者にも
なれないままに
ただ 干乾びていく。
....
口には出さなくとも
目つきで解る
軽蔑の刃
四角い花壇の隅を汚す
ゴミを捨てたのは誰
落とし主は現れず
誰も手を汚したくない
でも傷つけずにはいられない
だか ....
顔をかきむしり
皮を剥ぎ落とし
血を雨と流しても
自分の素顔が
見つからないのであれば
鮮血の海に
溺れそうな
二つの目に
空を走る
雲の足取りを
....
涙は手頃な宝石です
貴方のほっぺを飾ります
私の心を溶かします
嘘でもいいかと許せます
嗚咽が喉を焼きだしたら
抑え込むのは無理でしょう
風に押される野火のように
貴 ....
苦しかったら
ここにおいでと
空が囁いてくれた
でも私には
翼がなかった
辛くなったら
ここにおいでと
海が囁いてくれた
でも私には
鰓がなかった
....
もっともらしい言葉で
魔法をかけようとしても
下心は見透かされて
彼女は立ち去っていく
もっともらしい儀式で
神を呼び起こそうとしても
やってきたのは雨雲
雷を落として
....
投げつけた白球が
君に届く前に
風にほどけて
宙に舞うリボンになる
草むらに転がって
土のにおいを嗅ぐ
俺はここから生まれた
ミツバチの羽音が ....
日々を無駄に過ごすなって
お袋によく言われたっけ
汚れたエプロンを
鎧みたいにまとって
布団たたきを握りしめ
水仕事に荒れた両手を 腰に当てて
にらんでいたお袋
....
俺のテレキャスターは
どんな女よりも
艶っぽく喘ぐ
だから
要らないんだ
柔らかくて暖かい
夜の女の 肢体なんて
俺のテレキャスターは
どん ....
人の心は水に似て
器に合わせて形を変える
だけど時には凍りつき
器の方を壊してしまう
水は低きに流れるが
それは惰性の気楽さで
時に情熱の火に触 ....
世の中ザラザラしている
そうは思いませんか
{ルビ肌理=きめ}が粗くなった
そうは思いませんか
優しい親は珍しく
子供は大抵怯えてる
賢い教師も見当たらず
子供は大抵迷ってる ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている
土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る
君は ....
まっさらな紙が一枚
夜空から舞い降りてきて
ふと立ち止まる 君の手元に横たわる
゛私を汚してください
あなたの言葉で
その指先の綴る
文字の連なりで゛
日々
わだかまる想 ....
詩は暇つぶしだと言ったら
あなたは怒るだろうか?
だけど 考えてもみてくれよ
暇のない人生というものを?
詩のなかで
説教を垂れるのもいい
悪態をつくのもいい
泣き崩れる ....