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猿は黙って登ってくるのだ
かれらにしかみえないおまえの
躯に穿たれた釘を伝っておまえの頂まで
それでも数匹は諦めて引き返すし
また数匹は手を滑らせて落ちてしまうし
....
透明な鍵盤に置くかのように
あなたの指が宙にとどまる
噎せ返るほどに暑い八月
そんな形で朝は始まる
夢のなかでそれは確かに
風靡く草原を鳴り渡って ....
魚を燃していたのだと
きみが言う
誰にともなく
酸化をはじめたばかりの
鉄の表面に似て
せつないくるしい
いとしいさびしい
かなしいや ....
白い馬が
眼をとじて横たわっている
柔らかな草の緑
露薫る朝につつまれ
あなたの夢の頁は
遠くからの風にはらり捲れる
はじまりから終わりまで ....
国
という言葉がいま浮かんだけれど
どうしたものか思案している
一ヶ月近く洗っていない
ランチョンマットには三箇所の染みがついているが
それでも洗 ....
ココナツを叩き割ると
青い空がちゅるりとこぼれた
そう、
キミはいつも
輝いているものを
見かけるたび猫のように
是非もなく追いかけた
....