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この幼い文字には記憶がある
漢字を覚えられない少年はそれだけで言葉を文字にする事が許されず
間違いばかりを指さされては 心を深く胸に隠すしかなかった
開け放なたれた部屋の小窓
文字 ....
メロディーは まばたきに似て
吐く息は 山をさまよう霧に変わり
心のきらめきは 星よりも激しく燃える
遠く町の灯火が やさしい
やがて静かな会話がはじまり
凍りつく 寒気 ....
やっと今日の仕事が終わった
選び間違えた 水の様なアイスコーヒーを飲み干して外へ出る
工場の騒音のなかで暮らしていると帰る頃には
虫の音なのか 耳鳴りなのか全く区別がつか ....