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画用紙いっぱいに水を塗り
そしてその水の乾かぬうちに
空を描き
雲を描き
僕を描く
風を描き
花を描き
君を描く
すべてのものの輪郭が
水に滲んで溶けあって
....
何も知らない 僕 と
何も知らない 君 を
乗せた船 は 深夜
港を出る
世界は丸い とは
限らないので
行き着く先は
誰も
知らない
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....