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愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった

おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので

うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている

 ....
今日がなかなか終わらないで
あしぶみする明日がくさっている
あたたかいのは
泥だった

あたらしいものを食べたくて
舫いをはずしたのに
気がつけば
泥をさがしている

これは
 ....
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
さみだれは
あっという間に
食いつくされてしまった

季節の名のつくものは
だいたいひとがむらがって
食いつくしてしまった

けれども
初夏
涼しくわらう目元に
わずかに残さ ....
海にでる  列車は
これでさいごだよ
指をさす老婆の皮膚は
ひびわれて

海へ
願った
最初のことばだけを
かばんにつめて

ふるえていた
かきかえられた地図と
 ....
手のひらに
つかむと
すこし音がしたが
死骸が
おそろしく
にぎったまま
眠ってしまった

おきると
部屋じゅうに
重たい光が
あふれている
昨年の大震災以降の、日本における「共有化」というのか、共有観というのか、そういうものがちょっと異常になってきているように感じる。

あの日わたしは関西にいて、テレビがどのチャンネルもばたばたと ....
あわ立てたミルク
窒息死

外れた戸から
ぬれたぜつぼうが
はいってくる
おきぬけに
大事なことを思いだし
顔をあらって
みつめようとするけれども
それはもうそこにはなく
かわりに
まずい水を
飲み干さなければならない
左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも

「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ

泣くほうも泣かされるほうも

でもどこかでだれかが
重さをはかって得を ....
もういいよ
うそをつくんだ
からだも
なかみも
わたしにうそをついて
でかけていく
あきらめきっても
しがみつくんだ
疲れた
ベランダに並んだ鉢植 ベッドにはただしく冷えた子どもがふたり だんだんと
遠のき
やさしくなっていく
日々のなかを

発光するリボンが泳いでいる

なめらかに熱く
泡立って

注意深く生活する
わたしをからかうように
発光している
 ....
物事が真実である必要はない。
あるとききゅうに、自分について大事な物事に気付くことがある。
それがきょうはそのことだった。物事はただしくあるべきだと思う。少なくともわたし自身は物事にたいしてただし ....
季節のかわりめには、どうしてこうも感傷的になってしまうのだろう。晴れていても、雨が降っていても涙が出てしまう。
あの人はわたしのことを忘れることにしたのだろう。来なくなった連絡と、日々と。忘れる ....
宇宙はこわれて
とろとろの熊になった
やわらかで許された
ひとりぼっちの熊
わたしが出会うのは
その熊の孫の孫の孫の孫
なのだけど
まだだれも知らない
とろとろの熊しかいない

 ....
よごれた指を
水につけて

すこし
きれいになり
水は
わずかに
濁る

わたしを
これ以上
みじめに
させないで
ながい柵があり
(たとえばそれは
夜だったり朝だったり
場所だったり人だったり
あるいは思想だったりするけれども)
ともかくながい柵があり

内側というのは
どちらですか

檻 ....
むかし
愛されたら世界が変わるとおもっていた

愛し合うのは
ひとつになることだとおもっていた

でもぜんぜんちがった
愛されるのは
自分は世界にひとりしかいないと思い知ることだっ ....
自分とはぜんぜん似ていないものを あつめて暮らす 花とか夢とか 16時から仕事のきみには
10時半は夜中の3時

まばらな髭と
からまるシーツ
ぜんぜん正しくない場所で
持たない同士で
持ち寄らず
なんにも奪わず
抱き合った

夜がくるの ....
錆ついた猫

道路の脇で死んでいる

朝も
夜も
冬も
春も
黒も
白も
雨も
夢も
涙も

なにものも
この猫を
侵略しない
抜けられぬ肌いちまいも超えられず「苦しい」と笑う夏 午前二時 みず玉の瓶のむこうの夕立と 風をとおした君の目元と

君は右僕は左を濡らしつつ ちいさな傘をでようとはせず

ためいきを午睡の風に結び付け生温いまま季節交わる

水溜りにかがんだ君のう ....
そらがたかくて
胸がやぶけそうだから
あおぞらをひとつかみ
胸ポケットにあげるね

ほら
いきができるだろ
ひだまりに さらされてゆく くちびると 動けずにいる ぼくの両足
青土よしさんのはるなさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
産卵- はるな自由詩712-8-25
ゆめ- はるな自由詩512-8-7
谷底- はるな自由詩812-7-27
さかな- はるな自由詩612-7-22
けれども初夏- はるな自由詩912-5-13
海へ- はるな自由詩712-3-23
夜光虫- はるな自由詩712-3-14
消えた電池のこと- はるな散文(批評 ...512-3-13
ミルク- はるな自由詩612-3-10
まずい水- はるな自由詩612-2-23
ぶつぶつ言う- はるな自由詩612-1-16
- はるな自由詩311-12-24
鉢植- はるな短歌311-12-14
発光する- はるな自由詩411-11-22
ただしさと真実に関する考察と覚書- はるな散文(批評 ...511-11-21
シクラメンのこと- はるな散文(批評 ...111-10-27
とろとろの熊- はるな自由詩1011-9-19
- はるな自由詩611-8-4
インタラクティブ- はるな自由詩1111-7-21
バージン- はるな自由詩611-7-13
生活- はるな短歌611-7-10
ぜんぜん正しくない二人- はるな自由詩711-6-21
- はるな自由詩211-3-27
熱帯夜- はるな短歌210-7-23
スカート- はるな短歌510-7-9
あおぞら- はるな携帯写真+ ...210-6-4
はつ恋- はるな短歌710-3-21

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