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ヘリオトロープの夢
天使の羽を手折る
みなぞこで沈む
かつてのブルー・ラブ
おなじ背の高さをした建物が
僕をやさしく愛撫するので
当分この街から出ていくことは
出来ないのだ。
背骨にきしりと
悲しみが
可愛らしい女の顔をした
悲しみが
のしかかる

重みに耐えかねた
か細い背骨は
粉々に砕け散り
鈍い光を放つ
黒いアスファルトの上で
ひらひらと
舞っ ....
あの頃わたしが持っていた
やさしい言葉の群れは
ぜんぶ捨てたよ。
「現代医学的見地に立てば、悟りをひらくというのは、いわゆる統合失調症をはじめとした精神病の状態であると言われております。ですから、僕は、イヤイヤ、この主語はおかしいですね…笑ってしまいますね……、彼は .... 重力に逆らって
垂れ下がるオレンジの果肉
そのあまさを
おまえは知らない

震える花びらの下で
そっと亡びてゆく虫けらども
そのみにくさを
おまえは知らない
悲しいこと
諦めること
薄っぺらい選択。

大切なもの
核となるもの
を切り取って眺める。


右折すれば変化が待っている。
恐れることはない。
死ねば両手も焼かれるのだから。
 ....
ジユラルミン・ケエス

中に閉じ込めた
のは
何だつたのでございませう
ましろい錠剤を口に含み
ほろ苦い赤わゐんで 胃へ突き落す。
その重みではねあがつてくる悲しみが
わたしをどおしようもなく 涙させるのです。



しかし人生はあまりに冗長で
ただ生きているというだけのことすら
難儀に感じられるというのに、
人を愛している余力も余裕も
無い。

それでもなお、
愛せずにおれぬと叫ぶなら ....
男どもよ、
おまえたちは、何なのだ。
おまえたちが女の子から
とくべつの親愛の情がこもった微笑みを向けられるのは
男どもよ、
それは、おまえたちが他でも無い
男であるからだ。

男ども ....
信者の行進は俯きがちで
淀んだ空気を見詰めている。
名前を呼ばれ
私は懺悔室へ向かう。
白衣の牧師
錠剤は聖書
神様だけが不在。
斜めさんの青土よしさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 青土よし自由詩112-6-12
コバルトブルーの門は、ぶよぶよに老いた番犬に守られている。- 青土よし自由詩312-5-13
背骨- 青土よし自由詩412-3-29
箱の中の女の額の痣の青- 青土よし短歌612-3-24
弁解(自殺幇助にかんする覚書)- 青土よし自由詩3*12-3-24
まことに信じがたいイメージ- 青土よし自由詩212-3-24
副作用- 青土よし自由詩512-3-20
真空管にて- 青土よし短歌112-3-12
真夜中の酩酊- 青土よし自由詩612-3-12
私の情緒に侵入して欲しい- 青土よし自由詩412-3-12
男どもよ- 青土よし自由詩712-3-11
宗教- 青土よし自由詩312-3-10

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