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無邪気であり
かつ残酷でもある少年は
少女にはわからない遊びに夢中になったりする
原始の森から続く通過儀礼のように
せみとり くわがた かぶと虫
昆虫標本

はばたくために作られた軽い羽 ....
列に帰属する蟻
ときたま
はぐれて戻らぬ蟻もいる

白いカナヘビが忍者のように
するりと岩陰に隠れた

彼女は言った
東京は子供が住む場所じゃない もはや
20キロも200キロもおん ....
仏壇がはなやぐことよ
ようきんさったなぁ
帰省した一族らぁが
各地の土産を並べていくけんど
こがーに食べられんでのう、おかあさん
おとうさんはビールがありゃあ良かけん
ほいでも黄色い菊と白 ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....

コップ一杯の水を飲む

夜の間に
水分が失われた細胞が
目覚めていくのを感じる

八月六日の朝
同じように水を飲む

最期の言葉は
ミズヲ クダサイ

この水は
私の水 ....
おひさまに干されたふとんは
懐かしい匂いがする

平屋建ての木造家屋
屋根より高く育ったヒマワリ
リュウノヒゲにふちどられた細い通路
赤いバラのアーチでは
テントウムシがアブラムシを食べ ....
小さな命は消えてしまった

新しい駅を造るために
もともとあった川はせき止められ
ある日
ただのどろの土地になっていた

川を移転させるらしい

駅がほしいのは
人間だけで
川に ....
明日のわたしはわらっていますか?
明日のわたしはかなしんでいますか?
明日のわたしはなにをみつめていますか?

明日のわたしが生きているのなら
生きていることに
ありがとうをいうでしょう
 ....
横断舗道を
小学校六年くらいの
男の子たちの集団が
渡っていく

夏休みが始まったばかりだというのに
どの子も
こんがりと日焼けしていて
プールでもいくのだろうか
子犬がじゃれ合うみ ....
湖底に眠るオルフェウスの首
無数の藻を寝台にして置かれている
目は閉じられ
口は唄うかのように
ほんのかすかに開いている
水がゆらめいて光りさざめく

闇と光が溶け合っている
死と生が ....
ここは泥棒市場
通称キャットストリート
骨董を売る店が連なる

ここで売っているものは
どことなく胡散臭く
まがいものの匂いがする

モノガタリには事欠かない

溥儀が紫禁城でコオ ....
鏡に映った
昨日より
一日分白さの増した生え際を見て
思い出す
巧妙に細工された嘘が
ゆっくりと正体を現すように
染めた髪がもとの白い色に戻る

白髪は中学生の時から
生えていたよう ....
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る

──誰も寝てはならぬ

けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう

今日に
 ....
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり

そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた

私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
 ....
{画像=120529154724.jpg}
気温が一度上がっただけで
庭は目覚め
今夜は舞踏会だと
シロテンハナムグリが伝言する

白薔薇が
今まさにデビュタントに
踊り出そうという心 ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる

『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
 ....
一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる

命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている

上手に脱いだ
ぬけがらは
 ....
野の花が
あんなにも
優しげに微笑むのは
きっと
手向けの花であるから

肉体を持たぬ人に
花以上に似合うものが
あるでしょうか

空腹も感じないので
食べ物はいらない
物欲も ....
距離を測ってみようと思う
単位は人間
おかしいな
昨日は1人間だったのに
今日は2人間だ
このまま離れていったなら
いつか
このものさしでは
足りなくなって
私は
人間に戻れなくな ....
今日の終わりに
のりしろが佇んでいる

のりづけしなければ
全てがそこで途切れることを
知っているはずなのに
どうしますか? と
のんきに尋ねてくる

点線から先は
のりしろ
白 ....
たたみ一畳あれば
Iの字に寝そべれる
  
  ――静止

二畳あれば
大の字になって
寝返りもできる

  ――開放

半畳あれば
膝を抱えて
あなたのことを
想うことが ....
えもんかけ
とか
うばぐるま
とか
こうもりがさ
とか

セピア色の単語帳
めくれば
ノスタルジーが
幸福な可笑しみを
連れてくる

がまぐち

つけた
蛙の鈴みたい ....
親心を
揺らしながら
春の野に立ち尽くしている
子どもらは
既に
旅立って
再び逢うことは
叶わないというのに
心配の種はつきないのでしょう

親心を
揺らしながら
じっと耳を ....
空を見上げる君は
とても無防備だ
尖った顎先から
なだらかなカーヴを描いて
道が現れる
これから
戦いに出向くにしては
哀しいくらいに
無防備だ
それは
最後まで手放なせずにいた
 ....
大きな蓋がひとつあれば
こと足りる
あれは
実に包容力のあるヤツだから

けれど
ここには
とても小さな蓋しかないのだ
あろうことか
私のキッチンには
小さな蓋しかないのだ

 ....
ホンマに? 
ホンマに。

ホンマにホンマ?
ホンマにホンマ。

これ、
エンドレスです

美しい季節を
嘘だと思うから

哀しい現実を
嘘だと思いたいから

ホンマにホ ....
人は
自分のテリトリーに
侵入者が
入ってこようものなら
たちまち
不機嫌になって
どうにかして
追い出そうとする

そのテリトリーさえ
誰かからの
借り地だというのに
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる

赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている

【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
アマゾンという
喫茶店の水槽で泳いでいる
あの魚はピラニアだと
まことしやかに
客の間では
ささやかれていた

根拠といえば
そこに
張り紙がしてあった
「指を入れないでください」 ....
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの ....
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盆送り- そらの珊 ...自由詩2312-8-10
誰かの水- そらの珊 ...自由詩14+12-8-6
黄昏待ち- そらの珊 ...自由詩2312-8-4
小さな命- そらの珊 ...自由詩10*12-7-31
明日のわたし- そらの珊 ...自由詩9*12-7-25
街角の風景- そらの珊 ...自由詩10*12-7-24
オルフェウスと竪琴- そらの珊 ...自由詩8*12-7-15
キャットストリート- そらの珊 ...自由詩9*12-7-11
真白髪- そらの珊 ...自由詩13*12-7-5
雨の夜- そらの珊 ...自由詩13*12-6-29
ぼんやり- そらの珊 ...自由詩24*12-6-26
ワルツ- そらの珊 ...自由詩15+*12-5-29
カサブランカ- そらの珊 ...自由詩18*12-5-24
ぬけがら- そらの珊 ...自由詩20*12-5-18
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ものさし- そらの珊 ...自由詩15*12-5-8
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