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恋割れた 悲しい夜は
ひとふたり つみによごす
このむねの 黒さがいやで
牛乳を むねにこぼすの
牛乳を よるのむからさ
かまわずに 消えてほしいの
かいわない 冬の静か ....
つくしんぼくわえ煙草の真似をして、東風(こち)と白桃甘水(ピーチジュース)で酔い醒め
突然の驟雨に 洗われた街は
なんだかとても色っぽくて
雨上がりの 空気の色を
すこしさみしげな 茜色に染めるのです
地に這う けものの しずかな息吹きが
い ....
幻の夜、
ヤドガリも寝静まった砂浜に
楽園の島のヤシの実が流れ着く。
その島では、あした、
一番早起きの牝牛が
真綿のように軽やかな雲の幻を
牧場の木陰に見る眼には
敬虔 ....
きみの頑張りを
ぼくは知っている
ずっときみの側にいて
ちゃんと見てきたから
そうでしょう?
夕陽の沈むこの街並みに
オレンジ色の花が咲き
夏も終わりの優しい風が吹く
....
月に、なにする?
月に、って?
吠えはしないで、
月に、嘆く?
ああ、人生って、
嘆いたほうが勝ちだったっけ?
負け、だったっけ、生きるって?
子供のころ、
きっとい ....
いちゃいけない人が
ここにいるでしょ?
あたしのことだよ、もちのろん。
ダメなのに、
こんなところにいちゃ、
嫌われるのに。
わかっていても、
どうしても
逃 ....
僕らがきかされた
歌のやさしい結末を
たえまない線香花火の香りが
明日へいざなってくれる
誰も地面に灯る明かりを愛しげに
みおろしているのは
「そこにはみるべき花火があるだろ ....
月が満ちても、
暗闇を抜け出した
明るい夜であるはずであっても、
かたつむりが、
紫陽花の葉っぱに液をすりつける
雨の夜は、
けっして、月が見えないジレンマが
山頂より流れ来る白 ....
そんな夜も眠ったほうがいい
旅立ったあの女の部屋は荒れはてて
酔っぱらいの方言で
意味不明な尊い言葉が
炙り出されて
真っ黒に縮こまっていたあとが
ゴミ箱に投げ込まれている
....
夜の月光に
静かな羽根がやさしく舞います
てのひらを胸にあて
赤い血のつながりを確かめます
メガネの少女をいつものバス停でみかけました
そのときのその心には、
けっして忘れない ....
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