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少し長めのマフラーを
砂漠の上で
引きずり汚した
誰かの踵だったかも
知れない
何かの予兆なのかも
知れない
ぐるりと見渡す
景色の中に
あなたを置いて
行ってもい ....
線香花火の小さな大きな
膨らみのような熱いかたまりが
眼差しを広げた胸の奥で
体を丸めてうつむいていた
赤い涙を拭う間にも
消えていく炎が穴を開けると
暗闇の中で眺める鏡は
ひと ....
自分を抱きしめた
両手を離し
翼のように
羽ばたく場所がある
誰かを温める
言葉の中で
開いた花みたいに
肌が触れる
人の視線や
街のサイレンが
神経を尖らす
コンパス回し
中心のズレた
指輪のままで
鏡のない世界へ
行きたくなる
例えばそこに
森があるとしたら
外した指輪を
頭上に乗せ ....
大切な人の
名前を呼ぶのに
心までは
短縮できないから
声を出す前に
星の周りを
何度も回り
光に慣れるのよ
いつもより高い
場所にいる気分
後ろ姿に
骨を重ねたのは ....
ノックをする度に爆発してた
黒い宇宙から流れる文字を
生かすものと殺すものに分けて
美しく見えるようにしなさい
僕等が望んだ芸術のために
握り合ったのはナイフかも知れず
残され ....
花が散った後の
道を誰かと
走ることでまた
輪になる自転車
舞い上がる
蝶のような
羽根をした
春の証に
触れてみたかった
祈りの日を忘れた
僕たちは
地球と目が合う
....
鼻の通る道で
擦り合わせた
花びらが渡す
匂いの小袋
目には見えない
粒子が飛ぶような
風の流れに
心を開いた
言葉が少しずつ
欠けてくパズル
何かで埋めようと
探してみ ....
街で手渡された
ピンクのチラシ
細かく破って
投げ捨てる場所に
音が鳴っている
若者の歌だ
ビルの凸凹に
合わせたような
メロディは空へ
届くだろうか
薄っぺらい鞄を
....
揺れることのない
楽しみがいつか
未熟な身体に
鈴を付けるまで
笑いの中に
いるのに
飛べなくて
しぼんだ風船
胸に当てていた
置いて行かれた
ような寂しさを
透明な ....
大根は足で
白菜は体
生まれて間もなく
捨てられた子供
口があったなら
哀しみの言葉
誰よりも早く
覚えたのでしょう
陽の当たる場所に
いられる命が
人と同じように
....
太陽の目を
見た日に始まった
心を読まれて
裸にされる
透明な鏡
なぞる指先で
言いたかったこと
言えなかったこと
輪郭になる前の
言葉だけが
壊れそうだから
大事に ....
何でも同じ物を
持ちたがる
その心に飼える
羊の数は
あなたと私で
違うはずだった
怖い夢を見て
涙滲む夜は
助けに行くため
羊に乗るから
数えていないと
不安になるよ
....
その距離は
未だ測れないまま
見つめる星が
見つめ返した夜
瞳の中で
転がる光は
孤独な鉛筆
削り終えたよ
大切なことを
書こうとすると
先へ進まずに
折れる心が ....
空を詠みながら
星を解きながら
両腕を回す
宇宙のベルトに
縫い付けたくなる
心も体も
違う時間を
生きる人の声で
帰る道を知り
肩を落とすけど
まだ間に合うな ....
缶ジュースの
プルトップを
引いたら
覗きたい明日が
あるということ
光と闇に
折り目を付けるまで
緩くなった
ジンジャーエールが
騒ぎ方を
忘れていくけれど
逆さま ....
都会のスピードに慣れようとして
おもりを外した身体で生きる
良く見えない星に掴まるよりも
ネオンの明かりが無個性に光り
次から次へと流れていくから
タクシーを止めるのが下手だった
....
水に溶かした
これまでのこと
光に透かした
これからのこと
誰にも言わないのに
君は知っているから
明日よりも
もっと先にある
希望のベクトルで
待っていてくれる
....
幸せにするよという
約束とは違う
地獄の底でも
おめかしをして
腕を組んだり
傘を盾にして
絶望の雨から
君を守りたい
刻々と変化する
心の形を
交換しながら
返 ....
何もなかった
透明な関係性に
絵の具を混ぜて
色になりたかった
忘れるから
約束はしないという
約束だけ覚えて
どこへ行くつもりなの
連れて行ってとは言えなくて
縫い目が ....
恋の出口を飛び出して行った
君は人生ゲームのサイコロを振って
反省とか謝罪を忘れて
誰かの腕の中で眠る夜に
届かなくても張り上げた僕の声が
木の枝に引っかかり折れてしまった
幸 ....
一日を生きるための
命の値段を計算したら
給料じゃ全然足りなくて
死のうと決めた日の
電車はモノクロだった
東京に飲まれた人生
遊び過ぎて馬鹿みたいと
浮かべた涙が
今は光 ....
測れないものほど
求めようとした
譲れないものほど
守ろうとした
例えば君との最短距離だ
顔を近づける時に
輪郭を辿れば
地球の裏側にいるような
気の遠くなる一瞬を
秤に ....
僕のいちにちが始まる朝に
必ず見上げる景色があった
あの屋根よりも遠くへ行きたい
あの緑よりも光を浴びたい
夏を急がない透明なプール
その柔らかな水面は映らず
騙し絵のような空に鍵をか ....
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