すべてのおすすめ
木陰から僕を呼ぶ声耳にした夏の暑さを暫し忘れる
草花の可愛い色が気になった自然が見せる豊かな表現
草原を歩くあなたをただ見てた自然の波に押されて歩く
黄昏の街に映った黒い影今日一日が ....
沖に出てあおむけに視るこんなにも空の広さがおしよせてくる
優しげな名前とは裏腹に盆過ぎて泳ぐ子 戒める海月
光る波ひとつふたつと三角の硝子の意志が増殖してく
足裏の次第に砂がさらわれ ....
からっぽをからっぽで埋めからっぽで蓋をしててもあふれるからっぽ
ぎらぎらと夏枯れの咲くカウンター 汗ばむ肌はななめに剥けて
しどけなく綻びたる君の肉体をもてあましてはまた闇に還る
届かない手紙を書いてはまた破る君に伝える夢の断片
閉じられしノートに綴る短信を誰に伝えんこの夜の深さを
ショッピングモールの雑踏にきみの面影ほのかにうかぶ
ラヴェルのボレロを聴きながらこの日常の主題をおもう
奥田民生の描く自由とさすらいそれを模範に生きてみたい
彼女にみたててもらった ....
じたばたと蜜に絡まる水黽よ 飛ぶがはやいかそれとも死ぬか
なめらかな言葉をめくる指の香の 甘い匂いは罪か褒美か
原因は不明のままで人生が終わる時間が迫ってきてる
一枚の
写真が過去を
連れてくる
捨てたつもりの
きみとの思い出
乾いてる軒下暮らし梅雨の日もそれが定めとうな垂れて
ほんとうに美しい玉葱の芯どうしてもほら泣いてしまいます
玉葱の玉を採ったら葱だらけでもそれは夢{ルビ二兎=にと}を追うひと
玉葱の ....
雨粒が個体のように転がって撥水製の傘の斜面を
雨の街そこが始発の駅ならば待っているのはみんな雨人
家がない ただそれだけで蔑まれ
ナメクジの這う赤いポストを
....
祝日は丸い氷でウイスキー飲む父の絵は直線ばかり
日々これ漂泊青葱を囓るように凡々と淡々と過ごすのみ
辞世の句考えながらも生きてゆくはみだし者の生き恥晒し
対流する魂ばかりが浮き足立ってただばたばたと地団駄を踏む
木瓜の花心のなかに ....
泥を食べ泥に抱かれて遠くまで来たはいいけど曇天の海
ぬかるみに口づけをする三月晦日 とう‐かい とか言う言葉を浮かべ
見くびるな 海老の尾っぽに柿のへた 鶏の骨 定年の父
自傷癖まねて手首に爪立てた跡よりネイルアートが赤いわ
ブラウンの瞳は露出した筋肉 眼鏡をかけていないことには
新品の日記に「悔い ....
編み棒を一目ごとに刺して抜く扼殺ですか黙殺ですよ
冬にする花火は何処か特別で体寄せ合い特別な夜
花祭り珍しい花だけ集め長い名前が覚えられない
寒さ増し熱い口づけ印象的時間が止まるほど美しい
ドキドキを感じる暇も作れない忙 ....
夏雲がつくる横顔誰かしら似ているようでもありますね
客はみなミステリーだと気づかずに四十五円の特売卵売られ
病院の長椅子にて縁もゆかりもない人のあくびをもらう
咲かぬまま枯れてしまっ ....
ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな
暑中お見舞い申し上げます たま
雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら
どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 ....
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし
信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに
夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
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断面を滴り落ちる雨粒はあの日に還れぬ哀しみの匂い
断崖を打つ荒波にとびこんだペンギンたちまさに今とびこんだ
鳥。飛ぶことだけを目的に骨の密 ....
磨かれた空に足跡つけていくいたずら小僧のような雲たち
なんにでもなれる人がやわらかく五月の樹々の若葉となって
この指をアンテナとして建てました心のスイッチ押して下さい
まなこから鱗は ....
ゆるゆると解凍されて泳ぎ出す初夏のひざしに冷凍金魚
てのひらに埋め込まれた鉛筆の種 いつまで待っても芽が出ませんが
捨てました古い日記も捨てましたあとかたもなくみじん切りして
虎猫と ....
想い出の酸っぱい海に放り込み
ピクルスの{ルビ浮標=ブイ}、カモメが休む
野菜はなんにも言わないけれど
野菜の気持ちはよくわかるぅ野菜の唄。
春 ....
入れ子だよ君は僕のマトリョーシカ
金環蝕キーンカーンキーン
みかづきがぼんやりうすい場所がある
爪工場で働くこびと
とりあえずキリトリセンを入れてみる
別れ話のリハーサルとして
雨が降る 地中に埋まるすべてもの
かばね弔う雨が降る
帰り道忘れず戻ってくれば ....
雪解けて清水は運ぶ春運ぶ
うたを謳うよ早春の賦を
言の葉の森で遊ぶよ妖精は
人見知りなりいたづらであり
薄青の空にひと刷け浅緋色
....
きのうあったね今日もあおう
渇いた歩道をまたあるこうね
手を繋ごうぬくもりがきえないうちにね
ぼくたちの地平線はどこにあるのだろうね
流星がきれいだねまるで
....
透明の氷の中に泡ひとつ
がりりと噛んで恋を終わらす
川に咲く半透明の氷花
いきつく海で碧い実となる
大切なものを氷結してみます
....
空よ あなたは何者ですか? 満ち足りた時は美しく 哀しい時には より美しい
なぜだろう 雨も涙も透明なのに青く塗ってみたくなるのは
何もかも捨てたくなって空に投げ 落ちてくるまで こ ....
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